同性軍人と私的空間で合意して持った性的関係は、軍刑法上の醜行として処罰できないという裁判所の判断が再び示された。
ソウル北部地裁1-2刑事部(ハン・ソンジン裁判長)は23日、軍刑法上の醜行の容疑で起訴された予備役中尉のA氏の控訴審公判で、検察の控訴を棄却し、A氏に無罪を言い渡し、原審の判断を維持した。
A氏は現役陸軍将校として服務していた2017年6月、他の部隊の将校と性的関係を持ったという理由で、軍検察によって裁判にかけられた。A氏が同月に満期除隊したことで、事件は民間裁判所で扱われた。1審で検察は懲役2年を求刑したが、2018年2月、ソウル北部地方裁判所刑事9単独ヤン・サンユン判事は、軍刑法上の醜行罪(軍刑法第92条6項)が制定されて以来初めて「同性軍人間の合意による性行為に対する処罰は違憲」とし、無罪を宣告した。
A氏に適用された軍刑法上の醜行罪は「軍人または準軍人に対して肛門性交やその他の醜行をした者は2年以下の懲役に処す」と定めている。1審裁判所は「この条項を相手軍人の意思に反しない(合意された)肛門性交などを禁止し、懲役刑で処罰するものと解釈するのは、軍人の性的自己決定権と私生活の秘密と自由を侵害する、憲法に反する決定」だとして、無罪を言い渡した。
最近、韓国最高裁(大法院)も同じ容疑で起訴された他の事件で、同性軍人が私的空間で合意のうえで行った性交は醜行として処罰できないと判断した。今年4月21日、最高裁全員合議体(裁判長 キム・ミョンス最高裁長官)は、領外宿舎で合意のうえで性的関係を持った容疑で起訴された2人の軍人に対し、「私的空間で自発的合意による性行為をしたことを処罰するのは、合理的な理由なしに軍人という理由だけで性的自己決定権を過度に制限すること」だとして、有罪を言い渡した原審を破棄し、事件を高等軍事裁判所に差し戻した。
最高裁の判断が出た後、検察は先月25日に開かれたA氏の結審公判で、A氏に無罪を求刑した。
同日、A氏と同行した軍人権センターのイム・テフン所長は「この事件の発端となった陸軍参謀総長の探索指示、それに便乗して繰り広げられた違法な捜査などに対する責任が伴わなければならない」とし、「法理を検討している」と話した。軍人権センターは2017年4月、チャン・ジュンギュ当時陸軍参謀総長が軍隊内の性的マイノリティを探し出すよう指示し、計22人の性的マイノリティの軍人を捜査したと主張している。