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文大統領「北京五輪の外交的ボイコットは検討していない」

登録:2021-12-14 02:34 修正:2021-12-16 13:20
韓豪首脳会談後の共同記者会見で
オーストラリアを国賓訪問中の文在寅大統領が今月13日、キャンベラの国会議事堂内の大委員会室で開かれた韓豪首脳記者会見で、質問に答えている/聯合ニュース

 オーストラリアを国賓訪問中の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が13日、北京冬季五輪の「外交的ボイコット」について「韓国政府は(ボイコットを)検討していない」と述べた。

 文大統領は同日、キャンベラの国会議事堂でオーストラリアのスコット・モリソン首相とともに開いた共同記者会見で「北京五輪に対する外交的ボイコットについては、米国をはじめとするどの国からも参加を勧められたことがない」とし、このように明らかにした。文大統領が北京五輪の「外交的ボイコット」について言及したのは今回が初めて。文大統領は「経済的な面で中国との関係も非常に重要だ。韓国にとってはもう一つ(重要なことが)あるが、朝鮮半島の平和と安定、そして北朝鮮の非核化のために中国の建設的な努力が求められる」と説明した。「安保同盟」である米国が主導し、オーストラリアなど米国の主要同盟国の「外交的ボイコット」の表明が相次いでいるが、最大貿易国である中国との経済関係、および文在寅政権が力を入れている終戦宣言など朝鮮半島平和プロセスを考慮すると、「先制的参加」を宣言する必要がないと判断したようだ。北朝鮮を対話のテーブルに導くうえで、中国の協力が欠かせないからだ。文大統領が会見で「韓国は米国と堅固な同盟を基盤にしながら、中国とも調和のとれた関係を維持するよう努めている」と述べたのもそのためだ。

 ただ、北京五輪の開会式に文大統領が出席する可能性は低いものとみられる。当初、文大統領は北京五輪を「朝鮮半島平和プロセス」の再稼働に向けた首脳外交の舞台として考えていたが、米国のジョー・バイデン大統領が出席せず、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党総書記も出席する可能性が低い状況では、出席する理由がないからだ。韓国政府関係者は「国際オリンピック委員会には高官級出席者としてファン・ヒ文化体育観光部長官を登録したが、実務手続きに過ぎず、実際誰が北京に行くかはまだ分からない。早く決めなければならない状況ではない」と述べた。

 中国政府は同日、北京冬季五輪の外交的ボイコットを検討していないという文在寅大統領の発言について、「肯定的に評価する」と述べた。

 中国外交部の汪文斌報道官は、同日の定例記者会見で文大統領の発言についてこのように述べた後、「韓国はすでに数回にわたって北京冬季五輪を成功裏に開催することを積極的に支持する意思を表明してきたが、これは五輪精神に合致しており、韓中友好の実現でもある」と強調した。さらに「中韓両国は朝鮮半島問題について緊密に疎通し、協力を維持している」とし、「我々は韓国と共に朝鮮半島問題の政治的解決を進め、朝鮮半島の長期的な安定を実現する上で肯定的に寄与することを望んでいる」と付け加えた。

 文大統領とオーストラリアのモリソン首相は同日の首脳会談で、両国関係を「包括的戦略パートナー関係」に格上げし、安全保障と経済分野における協力を強化することにした。両首脳は同日、韓国のK9自走砲30門をオーストラリアに輸出し、レアアースなど産業に必要な重要鉱物を韓国に供給するのに協力することで合意した。モリソン首相は「(自走砲の導入契約は)オーストラリアを防御できる能力を開発していく上で主軸になると考えており、こうした協力を持続していきたい」とし、「レアアース分野においても、韓国のように似たような立場にある諸国の間に信頼できるサプライチェーンの構築が重要だと考えている」と述べた。

イ・ワン、キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1023041.html韓国語原文入力:2021-12-13 20:44
訳H.J

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