日帝強占期(日本による植民地時代)に10代前半の年齢で強制労働に苦しんだ被害者たちの自叙伝が日本で出版された。
「勤労挺身隊ハルモ二(おばあさん)と共にする市民の会」(市民の会)は6日、『奪われた青春 奪われた人生』という題名で、強制動員被害者の梁錦徳(ヤン・クムドク、90)さん、金性珠(キム・ソンジュ、92)さん、金正珠(キム・ジョンジュ、90)さんの自叙伝が日本で出版されたと発表した。出版には市民の会や日本の支援団体「名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会」、「不二越強制連行・強制労働訴訟を支援する北陸連絡会」が参加した。
同書は今年1月に韓国で発刊された『死ぬ前に聞きたい一言』(ヤン・クムドク)と『渇かない涙』(キム・ソンジュ、キム・ジョンジュ姉妹)を1冊にまとめたもので、題名と写真など一部の内容を修正補完した。翻訳は韓日問題研究者の李陽洙(イ・ヤンス)氏が担当した。
同書には、被害者が日帝末期の1944年~1945年、10代の若さで日本人の校長などにだまされ、日本の軍需会社に動員されて、強制労働させられた経緯が書かれている。また、光復後に故郷に帰ってからも、「日本に行ってきた女子たち」というレッテルと社会的偏見に苦しみ、名誉挽回のために法廷闘争に入った話も書かれている。
ヤン・クムドクさんとキム・ソンジュさんは小学校を卒業した直後の1944年5月末、「お金を稼ぎながら勉強もできる」という言葉に騙され、三菱重工業名古屋航空機製作所に強制動員された。キム・ジョンジュさんは「姉(キム・ソンジュさん)に会わせてやる」と言われ、1945年2月ごろ不二越に行き、厳しい労働を余儀なくされた。
ヤン・クムドクさんとキム・ソンジュさんは1990年代に日本で、慰安婦被害者とともに日本政府を相手取って訴訟を起こしたが、いずれも敗訴した。2012~2013年に韓国で三菱重工と不二越を相手取って再び訴訟を起こした被害者らは、2018年に最高裁(大法院)で最終勝訴しており、キム・ジョンジュさんの訴訟は現在、最高裁で審理中にある。
「名古屋訴訟を支援する会」の高橋誠代表は推薦の言葉で、「この自叙伝は、誰が被害者の青春と人生を奪ったのか、加害国の住民である私たちに鋭く問いかけている」と出版の意味を語った。