政府が段階的日常回復(ウィズコロナ)を履行するための目標値として掲げた新型コロナワクチン接種完了率70%が、当初の政府予想より二日早く達成された。専門家は、接種完了率の最終値を80%台序盤と予想して、段階的日常回復をしても未接種者を中心に感染者が増えないようにする対策の準備が必要だと指摘した。
新型コロナ予防接種対応推進団は24日、ワクチン接種を完了した人が合計3597万5412人となり、接種完了率が全人口(昨年12月基準5134万9116人)の70.1%に達したと明らかにした。18歳以上の成人に対する接種完了率は81.5%だ。
接種完了率は、前日午後2時頃に70%を超えたが、これは2月26日にアストラゼネカのワクチンで接種を始めてから240日目だ。当初、防疫当局は25日頃に接種完了率70%を超えるだろうと予想したが、予想より二日程度早い時点に目標値を達成した。
政府は来月初めから新型コロナ治療病床など医療システムの余力と重症患者・死亡者の比率などを総合的に分析し、段階的日常回復に防疫政策を切り替える方針だ。食堂やカフェなどの生業施設の営業時間制限を緩和し、遊興施設などハイリスク施設利用時の感染拡散を防ぐため、ワクチン接種証明(ワクチンパス)や陰性確認書(48時間以内)の提出を要求する方案などを検討している。
韓国は、先にワクチン接種を始めた国家より早く接種完了率70%を達成した。国際統計ホームページ「アワー・ワールド・イン・データ」の資料によれば、韓国より接種を3カ月ほど先に始めた米国(57.7%)、英国(66.7%)、フランス(67.5%)、ドイツ(65.5%)、イスラエル(65.0%)などは70%を超えることができていない。韓国より9日ほど先に接種を始めた日本は、69.0%になっている。一方、ポルトガル(85.7%)とシンガポール(82.5%)は、先月すでに80%を超しており、スペイン(79.6%)も80%突破を目前にしている。韓国は来月中に接種完了率80%に達すると防疫当局は予想する。疾病管理庁のチョン・ウンギョン庁長は20日、国政監査で「断定的に申し上げることは難しいが、11月くらいには(接種完了率80%到達が)できそうだ」と明らかにした。
専門家たちは、未接種者の現況などを考慮すれば最終接種完了率が80%台序盤に達するだろうと見通した。24日0時現在で、1058万人余りがワクチンを一度も接種していないが、接種対象でない11歳以下の人口が444万人余りで全人口の8.6%に達する。16~17歳と12~15歳の年齢の接種予約率はそれぞれ60.9%、21.4%に終わっている。1回目の接種で異常反応を経験した人々のうち1~3%程度は2回目の接種を受けないという分析もある。
ソウル大学のキム・ユン教授(医療管理学)は「接種完了率の最終値が80%台序盤から中盤程度になるだろう」とし「残った未接種者は、つまるところ異常反応を最も強く心配しているので、政府が接種異常反応に対する認定と治療費支援を幅広く実施するということを改めて明らかにする必要があり、基礎疾患者や免疫低下者の場合にも感染することの方がさらに危険であると説得する情報を繰り返し提供しなければならない」と話した。嘉泉大医学部のチョン・ジェフン教授(予防医学)も「韓国の人口構造などを考慮すれば、83%程度が限界線になるとみられる」として「ワクチン接種でなければパンデミック危機を克服できないので、未接種者を説得し最大限徐々に防疫を緩和して(未接種者から)感染者が増えることに備えなければならない」と強調した。