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大統領府「日本政府による文大統領訪日の国内政治への利用は遺憾」

登録:2021-07-12 02:45 修正:2021-07-12 07:20
「会談行うなら成果あるべき」訪日日程にブレーキか 
日本メディア「慰安婦問題など具体策がなければ会談短く」
文在寅大統領が2019年12月24日、中国の四川省成都のシャングリラホテルで開かれた韓日首脳会談で、日本の安倍晋三首相の案内を受けて、席へと移動している=成都/大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 韓国政府は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の訪日と首脳会談推進に関する日本政府発のメディア報道の内容に強い遺憾の意を表明した。日本政府が両国の協議内容をマスコミに流し、国内政治に利用していることに対する不快感を示したもので、これまで前向きに検討されてきた文大統領の訪日日程にもブレーキがかかる見通しだ。

 大統領府の幹部は11日「最近のメディア報道を見ると、(日本が)五輪参加や韓日関係改善問題を政治的に利用しているような印象があり、注意深く見守っている」とし「我々は首脳会談を行う用意はあるが、会談が開催されるなら成果がなくてはならない」と述べた。さらに「今後の日本側の態度が重要だ」と付け加えた。

 外交部の当局者もこの日午後、記者団にショートメッセージで公示を送り「両国の外交当局間協議の内容が最近、日本政府当局者の話などの引用のかたちで、日本の立場と視点から一方的にメディアに流出していることに対し、強い遺憾の意を表する」とし、「このような状況では両国政府間協議を継続することは難しく、日本側には慎重に対応することを求める」と述べた。同当局者は「最近、両国は外交チャンネルを通じて、東京五輪を両国間の懸案解決のきっかけとすることを緊密に協議してきており、特に懸案解決の機運が熟し適切な格式が整えられるという前提のもとで、韓日首脳会談開催の可能性も検討してきたのは事実」だと述べた。これは、日本政府の態度次第では文大統領の訪日が行われない可能性もあることを警告したものと見られる。

 大統領府と外交部がこのような立場を表明したのは、韓日首脳会談が「短く形式的な会談」にとどまるだろうという日本政府発の報道には政治的意図があると考えているからだ。新型コロナウイルスの拡散で五輪興行に「赤信号」がともっている中で、菅義偉首相が強硬だった立場を軟化させ、文大統領を招待したという印象を与えないために、行き過ぎた「国内政治用マスコミリーク」を展開しているということだ。

 この日、日本経済新聞は「文氏が23日の東京五輪の開会式にあわせて2年ぶりに来日した際に会談する方針だ」と報じた。ただし同紙は、韓国政府が日本軍「慰安婦」、強制動員被害者問題について「具体策を示す見通しがなければ、日本政府は首脳会談を短時間にする構えだ」と報道した。これより前、共同通信は日本外務省の幹部の話として「五輪開会式に出席する各国首脳の一人として静かに対応するだけ」とし「歴史問題で譲歩してまで文大統領に来てもらいたいとは思わない」と報じた。共同通信は、文大統領を含む各国の主要関係者は菅首相と「一人当たり原則として15分程度」会談することになるだろうという首相官邸消息筋の発言も伝えた。

 外交部の実務陣は、まだ慎重な立場を示している。政府関係者はこの日、文大統領の五輪出席問題について、「まだ決定できていない。ただし(韓国政府が)善意で臨んでいることは明らかだ」と述べた。しかし政府の一部からは、先月の主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、日本が一方的に両首脳の略式会談を行わなかったことについて、日本政府に対する不信をぬぐえない雰囲気が感じられる。このため文大統領の訪日は、日本側の反応を1~2日見守り、条件が整っていないと判断されれば白紙に戻る可能性もある。

 韓日首脳会談が実現した場合、2019年12月の韓中日首脳会議をきっかけに文在寅大統領と安倍晋三前首相が会談して以来、1年7カ月ぶりとなる。昨年9月に就任した菅首相との会談は初となる。

イ・ワン、キム・ジウン、キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1003059.html韓国語原文入力:2021-07-11 18:01
訳D.K

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