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韓国検察総長、停職2カ月は「回復しがたい損害」か…きょう裁判が開始

登録:2020-12-22 08:58 修正:2020-12-22 14:19
争点1.回復しがたい損害か 
争点2.公共の利益を脅かすか
グラフィック_チン・ボラム//ハンギョレ新聞社

 ユン・ソクヨル検察総長が停職2カ月の処分を不服として起こした執行停止申立て事件の裁判が22日、ソウル行政裁判所で開かれる。停職2カ月の処分が「回復しがたい損害」なのか、懲戒執行を停止すれば公共の利益を脅かすのかをめぐり、ユン総長と法務部の法廷攻防が激しく展開されるものとみられる。

 ソウル行政裁判所行政12部(ホン・スヌク裁判長)は、22日午後2時からユン総長の停職執行停止事件の尋問を始める。今回の事件は、史上初の現職検察総長に対する懲戒であり、前例もなく、以前の判例から結果を予測することもなかなかできない。定年が保障されている公務員と、任期のある検察総長の「停職」を同じ比重の懲戒と見ることはできないからだ。解任や免職ではなく「停職2カ月」にとどまり、「回復しがたい損害」とみなすことはできないという分析が出ている一方、残りの任期7カ月のうち2カ月の停職は大きな損害だという反論もある。

 執行停止の要件である「回復しがたい損害」かどうかも、独立性と政治的中立性を保障するために任期を2年と定めた検察総長に対し「停職2カ月」の重さがどの程度なのかを判断する裁判所の判断によって変わる可能性がある。これに先立つ、チュ・ミエ法務部長官の職務排除処分に対する執行停止の認容は、法務部検事懲戒委員会の懲戒議決前までの比較的短い時間に限定された臨時の措置であり、今回の「停職2カ月」処分とも性格が異なる。行政裁判の経験を持つ裁判官は「懲戒事由に対する判断が曖昧であるほど、任期が7カ月しか残っていないユン総長を2カ月の停職処分にすることが回復不可能な損害なのかどうかに対する裁判所の価値判断が入らざるを得ない」と分析した。

 行政訴訟法では、「公共の福利に重大な影響を及ぼす恐れがあるとき」の執行停止は許容されない。ユン総長の懲戒を停止させることが公共の福利に否定的な影響を与えるなら、執行停止申立てを棄却する可能性もある。これを立証する責任は法務部にある。先に、ユン総長の職務復帰を決定した行政4部(チョ・ミヨン裁判長)は、「(ユン総長の職務復帰により)懲戒処分が行われる前の短い間職務が維持されるだけで、職務の廉潔性(清廉で潔白な性質)が重大に阻害されると断定することもできない。執行停止により公共の福利に重大な影響を及ぼす恐れがあるとは認めがたい」と判断している。行政裁判所で勤務した経験のある判事は「懲戒議決の時までの懲戒嫌疑者に対する暫定的な措置だった職務排除とは違い、今回の処分は懲戒手続きを経て大統領が裁可した確定した処分であるだけに、裁判所が(職務排除の効力停止とは)異なった判断をする可能性もある」と予想した。

 執行停止事件を審理する過程で、裁判部が懲戒事由と手続き上の違法性も判断するかどうかは見方が交錯する。本案訴訟もあるため、執行停止の要件に忠実に、「回復しがたい損害」と「公共の福利の問題」だけを審理すべきという指摘がある一方、回復しがたい損害を判断するためには、懲戒事由が適正だったか、手続き上の問題点はないかを問わざるを得ないというのだ。別の判事は「解任や免職処分だったとすれば執行停止を認める可能性が高かったが、『停職2カ月』だったため不正行為と処分の比例性も同時に考慮しなければならないという、複雑な状況」と説明した。

チョ・ユニョン、シン・ミンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/975280.html韓国語原文入力:2020-12-22 02:41
訳C.M

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