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韓米の元高官ら「北朝鮮の核問題解決のためには、米国が体制保証に乗り出すべき」

登録:2020-12-03 09:20 修正:2020-12-03 11:04
国家安保戦略研究院とスタンフォード大学CISACの共同テレビ会議 
「北朝鮮に対する理解:対北朝鮮交渉と交流経験の共有」
国家安保戦略研究院とスタンフォード大学国際安保協力センター(CISAC)が共同主催したテレビ会議でイム・ドンウォン元統一部長官(写真上の一番左)とムン・ジョンイン大統領統一外交安保特別補佐官(写真上段左から二番目)らが討論している=イ・ジェフン記者//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮と交渉経験が豊富な韓国と米国の元高官たちは「北朝鮮核問題」を解決するためには、バイデン新政権が北朝鮮の体制保証と朝米関係正常化に乗り出さなければならないと提言した。

 イム・ドンウォン元統一部長官と米国のウィリアム・ペリー元北朝鮮政策調整官、ロバート・ガルーチ元国務省特使らは2日、国家安保戦略研究院と米スタンフォード大学国際安保協力センター(CISAC)が、ソウルとワシントンをつないで共同主催したテレビ会議で、このような認識に共にした。

 北朝鮮の「完全な非核化」の可能性をめぐり、概ね米国側は“悲観的な”見通しを、韓国側は“困難の中でも可能性を見出せる”という見通しを示し、意見が分かれた。1994年の朝米枠組み合意の主役であるガルーチ元特使は「ワシントンの90%は、北朝鮮が核を放棄しないだろうと考えている」と伝えた。ペリー元調整官も「北朝鮮に核を放棄させることは『ミッション・インポッシブル(不可能)』に近い」とし、「完全な非核化」よりは「正常国家化」を対北朝鮮政策の現実的目標として提示した。

 一方、イム元長官は「北朝鮮の核問題は解決できると思う」と述べ、司会を務めたムン・ジョンイン大統領統一外交安保特別補佐官は「我々の選択肢は軍事的対応ではなく、外交交渉のみ」だとし、「韓米の政策協調で悲観的な展望から楽観的な結果を導き出さなければならない」と強調した。

 ただ、米国側の関係者も北朝鮮の態度が変化する可能性を排除しなかった。ガルーチ元特使は「北朝鮮側が何かをやり取りする状況になれば、一歩も引かないという態度を和らげることに驚いた」と経験談を語った。

 韓米の元老たちは、北朝鮮が核兵器を「(米国の軍事攻撃を防ぐ)抑止手段と捉えている」ということに共感し、バイデン政権がこれを前提に解決策を模索すべきだと助言した。ペリー元調整官は「北朝鮮は経済発展を望むものの、それを核兵器と交換することはないだろう」とし、「どんな交渉代表であれ、北朝鮮の安保を保証する手段を提供できなければならない」と強調した。

国家安保戦略研究院とスタンフォード大学国際安保協力センター(CISAC)が共同主催した「北朝鮮に対する理解-交渉と関与」テレビ会議で、ウィリアム・ペリー元対北朝鮮政策調整官(写真上段右端)が発言している=イ・ジェフン記者//ハンギョレ新聞社

 イム元長官は「北朝鮮核問題は朝米敵対関係の産物」だとし、「北朝鮮核問題を解決するためには、米国が北朝鮮と関係正常化をして朝鮮半島の平和を保障する意思があるのかを同時に考えなければならない。北朝鮮の立場だけを考えるのは現実的ではない」と指摘した。さらに「バイデン政権がアップグレードしたクリントン-ペリー流のギブアンドテイクのアプローチ、例えば敵対関係を改善して核兵器が必要ない環境を保証し、非核化と交換する段階的・同時並行アプローチを使うなら、問題を解決できると思う」と提案した。チョン・ヘソン元統一部次官は「韓米の適切な役割分担と協調に基づいた先制的な対北関与が必要だ」と述べた。

 バラク・オバマ政権時代の2012年の2・29朝米合意に深く関与したダニエル・ラッセル元国務次官補(東アジア太平洋担当)は、明確に合意された交渉の優先順位▽韓米協力▽中国の牽引などの配合をバイデン政権に注文した。ジョージ・ブッシュ政権時代に6カ国協議に参加したジョセフ・デトラニ元米国務省対北朝鮮交渉特使は「米国が中国との関係を念頭に置いて北朝鮮を手段として利用するゲームをしてはいけない」と指摘した。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/972515.html韓国語原文入力:2020-12-02 18:12
訳H.J

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