昨日で13日目を迎える専攻医たちによる集団休診(医療スト)事態で、手術と診療が延期され、救命救急室への入院を拒否された患者たちが「恐怖に近い医療ストを中止してほしい」と訴えている。大統領府の国民請願掲示板をはじめ、様々なオンラインコミュニティには医師の集団行動を批判する重症患者家族の恨み交じりの声が殺到している。
最も恐怖におびえているのは抗がん治療や手術が延期されたがん患者たちだ。彼らは2日、ハンギョレの取材に対し、「医療ストで命が脅かされるほどだ」と語った。外来診療を行うべき教授らが専攻医たちの担当業務などに投入され、正常な診療を受けることも難しいのが現状だ。6年間肺がん闘病中のキム・ジョンファンさん(56)は「がん患者には転移ほど怖いものはない。転移の有無を把握し、治療や手術を受けなければならない患者にとって、抗がん治療や手術が延期される状況は恐怖を感じさせる」と語った。6年間食道がんと闘ってきたキム・ソンジュさん(58)も「食道がん手術後、下痢が数日間続き、体重が46キロまで落ち込んだ。真夜中も下痢がひどくて救命救急室に行こうとしたが、主治医の診療はしばらく待たなければならず、救命救急室も医師数が足りないと言われた」と話した。
「公共医療のために4000人ではなく、4万人の医師増員を請願する」というタイトルの大統領府国民請願には、同日午後3時基準で15万人以上が同意した状態だ。大統領府国民請願ホームページには「ある胆のうがん患者が8月7日、手術当日の夜明けに医療ストのため手術が延期された後、植物状態になった」という内容の請願文も掲載された。患者の孫娘である請願人はこの文で「専攻医らによる医療首都当時、外科当直教授の逸脱で発生した医療事故」だと主張した。
先月26日夜、京畿道水原(スウォン)に住むAさんも危険な状況を経験した。子どもが浴槽に頭をぶつける事故に遭い、すぐに治療を受けなければならなかったが、自宅近くの大型病院では「救命救急室に医師が足りない。町医者のほうに行ってほしい」と言われ、そのまま帰らざるを得なかった。また、他の大学病院や総合病院にも問い合わせてみたが、返ってきた答えは「医療ストで医者が足りない」というものだった。結局、Aさんは自宅から車で40分以上かかる京畿道軍浦市(グンポシ)の病院を訪れ、何とか子供の治療を受けることができた。出産を控えた妊婦のコミュニティーには、専攻医たちによる医療ストで分娩中の痛みを和らげる「無痛注射」が中止されたとか、高リスク妊婦の出産を大型病院で拒否したという訴えが掲載されている。