40日を超える長い梅雨によって、全国各地で洪水や土砂崩れの被害が発生している。専門家たちは今回の豪雨で20人以上の人命被害が発生するほど被害が大きい理由として「都市化」と「ずさんな管理」を挙げている。
中央災害安全対策本部が5日に明らかにしたところによると、今月1日以降、現在(5日午前6時)までに全国で15人が死亡したが、うち10人が土砂崩れによるものとわかった。山の中腹に設置した擁壁が集中豪雨で流れ落ちてきた土の重さに耐え切れず崩れたり、山から流れ落ちてきた土砂で家とともに崩れた事例が多かった。
これまでに全国で計277件の土砂崩れが発生したものと集計されたが、人命被害が発生した京畿道のペンションと平沢(ピョンテク)の工場の敷地、安城(アンソン)の養鶏場は「土砂崩れ脆弱地域管理対象」に含まれていないことが確認された。山林や土木関連の専門家は、土砂崩れの危険管理を政府省庁や地方自治体が別々に管理しており、総合的な危険管理がきちんと行われていないと指摘した。イ・スゴン元ソウル市立大学教授(土木工学)は、「山林庁は土砂崩れの脆弱地域2万カ所、行政安全部は急傾斜地の危険地域4万カ所を別々に管理しているが、京畿道加平郡(カピョングン)など土砂崩れが発生した場所は管理対象に含まれていない死角地帯だった。山は山林庁が、道路は国土交通部が、建物を含む山の麓は地方自治体と行政安全部が管理しており、統合管理が行われていない」と指摘した。今回の土砂崩れについても、中央省庁と地方自治体が互いに「我々の責任ではない」として、管理・監督の責任を転嫁している。イ教授は「政府と地方政府が単独ですべての土砂崩れ脆弱地域を管理するのは事実上不可能なため、民間の専門家と協力して統合管理する政府主導の『コントロールタワー』を設置すべき」と提案した。
ソウルや釜山(プサン)、大田(テジョン)などでの都心地域の被害は、加速化した都市化の問題だという分析が出ている。昨年2月、ソウル大学グリーンバイオ科学技術研究院のチェ・ジヨン教授が民間シンクタンク「ヨシジェ」に寄稿した文章によると、ソウル市は雨水の染み込まない不浸透面が1962年は7.8%だったが、2013年には54.5%に急増した。50年間で不浸透面が7倍近く増加したのだ。これと比例して、雨が降った時に土地が吸収できない雨水の量は5倍も増えたことが調査で分かった。
公州大学のキム・イヒョン教授(建設環境工学部)は「ソウルは北漢山などの山地域を除けば、事実上80%以上が不浸透面と見ることができる。短時間に大雨が降ると、排水管が耐えられる水量を超えるため水害が発生する」と説明した。キム教授は「家を建てて不浸透面が生じれば浸水を誘発して公共に被害を及ぼすため、欧州では建物に対する『雨水税』を徴収している。こうした制度の導入を検討することもできる」と説明した。