最近、韓国で児童虐待事件が相次いだことを受け、政府は虐待の懸念が高い児童を把握するため、全数調査を行うことにした。虐待児童が発見されれば、直ちに家庭から切り離す「即時分離制度」の導入も進める。
政府は12日、社会関係長官会議を開き、このような内容を盛り込んだ児童虐待防止対策を議論した。まず、家庭で養育中の満3歳の子どもと就学年齢の子どもを対象に全数調査を行い、所在と安全を確認することにした。政府は「児童虐待を早めに発見するため、場所や年齢などの変数を用い、高危険群の児童を先制的に発掘・調査する」という趣旨だと説明した。また、予防接種や乳幼児の健康診断などを受けていなかったり、長期欠席をしているなどの従来の情報を活用し、「放任」(ネグレクト)の疑いがある事例を絞る計画だ。
虐待を受けた後に家庭に戻り、再び虐待が行われることを防ぐための方策も推進される。虐待が見つかり次第、家庭から児童を分離する「即時分離制度」を導入する計画だ。児童保護専門機関や虐待を受けた被害児童のためのシェルターを拡大し、専門家庭委託制度を法制化するなどの措置をまとめるというものだが、今年第3四半期中に省庁を横断する総合対策が出る予定だ。
警察、地方自治体、児童保護専門機関などが合同点検チームを構成し、「再虐待発見特別捜査期間」も運営することにした。過去3年間に虐待通報があった児童の安全を再度点検し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって「社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)」を実施した2~5月に受理された児童虐待通報をすべて点検するという。さらに、児童虐待調査の実効性を高める方策も講じると政府は明らかにした。