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「保健用マスクは必要な人に」…ソウル市「やさしいマスクキャンペーン」を推進

登録:2020-03-17 06:53 修正:2020-03-17 08:27
ソウル市教育庁、幼稚園児や小中高校生全員に無償マスクを支給
「やさしいマスクキャンペーン」のポスター=ソウル市提供//ハンギョレ新聞社

 医療陣と高齢者、妊婦らのために保健用マスクの寄付を呼び掛けるマスク分かち合い運動が始まる。ソウル市内の全ての幼稚園児と小中高校生には1人当たり3枚ずつ無償マスクが支給される。

 ソウル市は16日、医療陣や社会的弱者層など必ず必要な人々が保健用マスクを使えるように、布マスクを使い、公的マスクの購入機会を譲ろうという「やさしいマスクキャンペーン」を行うと発表した。 キャンペーンには韓国消費者団体協議会やソウル興士団、ソウル環境運動連合など消費者・市民団体が参加する。これらの団体は同日、ソウル市庁で開かれた「やさしいマスクキャンペーン市民団体共同記者会見」で「感染のリスクが高くない場所では布マスクの着用を実践する。保健用マスクは医療陣や高齢者、社会的弱者層に譲る」というやさしいマスク共同宣言文を発表した。

 市は布マスクにも咳など飛沫遮断效果があると説明した。ソウル市のアン・ジョンジュ安全名誉市長は同日の記者会見で「最近、大韓医師協会でも布マスクが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染予防に役立つという意見を示した」とし、「香港の医学専門家も英国の医学ジャーナルで、保健用マスクの代案として布マスクを提示した」と述べた。

 やさしいマスクキャンペーンに参加する市民たちには、布マスクと携帯用の消毒液で構成された「やさしいマスクセット」が無料で配られる。キャンペーンは同日から毎週月・水・金午後3時から5時まで主な地下鉄駅および区役所、公園などで行われる。 また、ソウル市は市民が保健用マスクを寄贈した場合、これを医療陣や療養病院従事者、公共交通機関の運転手、販売員、宅配運転手、高齢者、妊婦、慢性疾患者などに渡す方針だ。キャンペーンが行われる場所は、ソウル市のホームページと120茶山コールセンターで確認できる。

 市はこのため、97億ウォン(約8億4千万円)をかけて、ソウル市内の縫製工場で布マスク320万枚を作った。市はCOVID-19予防に手の清潔が重要だと見て、携帯用の消毒液320万本も用意した。ソウル市や自治区公務員、公企業、公共財団の役員7万8千人も17日から「やさしいマスクキャンペーン」に参加する。市は、キャンペーンに参加する民間企業も募集している。

 市は保健用マスクの入手が困難な高齢者や障害者、低所得層に、23日から静電気フィルターを確保し、フィルター交換型マスク60万枚とフィルター300万枚を支給する。布マスクに静電気フィルターを入れることで、(平均0.6マイクロメートルの粒子状物質を80%以上遮断できると食品医薬品安全処書が認証した)KF80保健用マスク以上の性能を確保するという計画だ。

 ソウル市内の全ての幼稚園と小中高校生96万人には1人当たり3枚ずつ「公共無償マスク」が支給される。ソウル市教育庁は同日、「COVID-19から子供たちの健康と安全を確保するため、392億ウォン(約33億8千万円)規模の補正予算案を緊急編成した」と発表した。種類はフィルター交替型の布マスクで、マスク1枚当たりフィルター4枚が支給される。マスクの供給が円滑ではない現状と政府が健康な人には布マスクを推奨している点を考慮した措置だ。学校に追加で提供される余裕分(生徒1人当たり1枚ずつ)は、低所得層の生徒たちに支給するか、備蓄させる方針だ。マスクの購入予算としては159億ウォン(約13億7千万円)が編成された。

 このほか、ソウル市教育庁は8億ウォン(約6900万円)をかけて、政府補正予算の支援を受けられない300人未満の学校にも熱画像カメラ(サーモグラフィー)を設置し、ソウル市内の1351校全体で生徒に発熱があるかどうかを確認できるようにすると発表した。

イ・ジョンギュ、イ・ユジン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/area/capital/932772.html韓国語原文入力:2020-03-1616:34
訳H.J

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