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韓国検察、6時間にわたり大統領府秘書室に対する強制捜査を実施

登録:2019-12-05 00:49 修正:2019-12-05 07:36
検察、昨日午前資料確保に乗り出し 
元特別監査班員の死亡で二日延期 
 
大統領府「誠実に協力」しながらも遺憾表明 
「要請資料は前回とあまり変わらず 
当時の監察に基づき、人事措置をとった」 
「キム・テウの供述に依存」と強く批判 
与党も「政治的な意図による検察の捜査」と批判
検察が大統領府に対する強制捜査に乗り出したとされる今月4日午後、大統領府に車が出入りしている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 4日午前、検察が大統領府に対する強制捜査を試みたという報道を受け、大統領府本館の年豊門と民情首席室特別監察班事務室があるソウル鍾路区昌成洞(チャンソンドン)別館の周辺には、報道陣数十人が集まった。大統領府年豊門と昌成洞別館に検事や捜査官が乗ったものと推定される車が出入りしたが、検察と大統領府は具体的な状況について明らかにしなかった。年豊門前の大統領府警護員は、「(強制捜査について)事前に報告を受けていない」と述べており、昌成洞別館の警護員も「ここではないと聞いた」と繰り返した。同日行われた非公開の強制捜査は大統領府と検察の双方にとって、それほど敏感な事案だという点を示す場面だった。

 ソウル東部地検は、強制捜査が始まってから30分後に「午前11時30分に大統領秘書室に対する強制捜査に着手した」という短いショートメールを(担当記者団に)送ったが、具体的な強制捜査の場所も明らかにしなかった。検察の強制捜査は6時間後の午後5時35分に終わっており、大統領府もその後、強制捜査に関する公式報道官論評を発表した。

 検察が文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後、大統領府に対する強制捜査を実施したのは今回が二回目だ。検察は1年前の昨年12月26日、自由韓国党が告発した「大統領府の民間人査察疑惑」を捜査するため、大統領府民情首席室傘下の反腐敗秘書官室と特別監察班室の2カ所に対する強制捜査を行った。当時の強制捜査もソウル東部地検刑事6部が担当した。

 大統領府は同日の強制捜査の際、検察が要請した資料が、昨年12月の強制捜査当時に要請した資料とあまり変わらないと指摘し、強い不快感を示した。コ・ミンジョン大統領府報道官は強制捜査後に行った書面ブリーフィングで、「不正の疑いがある情報提供者、キム・テウ元大統領府特別監察班員の供述に依存し、国家の重要施設である大統領府に対し、再び強制捜索を行ったことは遺憾だ」とし、検察を批判した。

 また、コ報道官は「今日、ソウル東部地検の検事と捜査官が捜索令状を執行しており、大統領府は手続きに従って誠実に協力した。検察と協議し、提出が可能な関連資料を任意で提出した」と説明した。しかし、コ報道官は「大統領府は国家保安施設に該当し、刑事訴訟法上、押収捜索が不可能であり、これを認めた前例もない。今日ソウル東部地検が要請した資料は、昨年12月26日の『キム・テウ事件』による捜索の際に要請した資料とあまり変わらず、当時、大統領府は誠実に協力した」と強調した。検察が捜査中の監察もみ消し疑惑についても、「当時民情首席室は、捜査権のない監察という限界内で明らかになった事実をもとに総合的に判断し、これを根拠に対象者に対して人事措置が必要だと判断した」と説明した。

 一方、大統領府の反論にもかかわらず、法曹界では昨年と今年の押収物が同一ではないものと見ている。昨年の強制捜査は、「大統領府の民情首席室が業務の範囲を超えて民間人を査察した」というキム・テウ元捜査官の暴露で始まったが、当時検察は大統領府からキム・テウ捜査官が特別監察班で勤務していた当時、作成した情報報告を提出を受けた。一方、今回の捜索の核心は、ユ・ジェス元釜山市経済副市長の不正に関連した監察に関する記録で、キム捜査官はユ元副市長の監察に直接関与しなかった。大統領府のユ元副市長に対する監察もみ消し事件が検察に告発された時期も、捜索後の今年2月19日だ。

 共に民主党は、検察の強制捜索に強く反発した。イ・ジェジョン共に民主党スポークスマンは論評を発表し、「死亡した特別監察班員の遺留品押収捜索に続く大統領府への強制捜査が、改革に対抗した検察の政治行為ではないかと問う国民が多い」とし、「検察が政治をしないでほしい」と述べた。自由韓国党は論評で大統領府の「捜査への非協力」を批判し、「大統領府は『監察壟断』事態を覆い隠そうとする一切の試みを中断すべきだ。 (大統領府が)隠ぺいしようとする真実は、結局国民の目と検察の手によって明らかになるということを、肝に銘じなければならない」と強調した。正しい未来党も論評を発表し、「(大統領府が)反省するどころか、検察を批判し、詭弁を弄している」と批判した。

ファン・チュンファ、カン・ヒチョル、イ・ワン、カン・ジェグ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/919633.html韓国語原文入力:2019-12-04 21:14
訳H.J

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