本文に移動

1人世帯「ソーシャル・ネット」づくり支援…ソウル市が総合対策発表

登録:2019-10-07 02:41 修正:2019-10-07 07:55
市民の32%占める1人世帯の孤立防止 
ソーシャル・ダイニング、サークル活動支援 
労力提供「時間銀行」など導入 
25の区ごとに支援センター設立
バラエティー番組『私、ひとり暮らし』=文化放送(MBC)ホームページより//ハンギョレ新聞社

 ソウル市は市の全世帯の32%を占める1人世帯を支援するため、賃貸保証金の融資をはじめ、コミュニティー・スペース作りなどの事業を推進する。あらゆる形態の1人世帯を支援する総合対策を打ち出したのは、ソウル市が全国の自治体で初となる。

 6日にソウル市が発表した「第1次1人世帯支援基本計画」によると、市は1人世帯の社会的孤立を予防し健康な独立生活を支援するため、ソーシャル・ネットワークの形成を目指した様々な支援策を準備している。

 まず、ソウル市は1人世帯の居住費の負担を減らすため、2020年から働く低所得1人世帯(月170万7千ウォン(約15万円)、年間所得2千万ウォン(約180万円)以下)を対象に、年1%前後の低金利での貸付を受けられるよう支援する。対象者は年間5千人以内で、2023年までに1万7500世帯を支援する計画だ。これに向けて年内に協力金融機関を定め、2020年の支援事業対象者募集を告示する予定だ。

 1人世帯のソーシャル・ネットワークの形成に向けて、一人暮らしの人々が集まって一緒に食事を作って食べたりコミュニケーションしたりできる「ソーシャル・ダイニング」が2023年までに段階的に75カ所まで増設される。ソウル市は1人世帯が運動・文化・余暇活動を通じて互いにネットワークを形成できるよう、サークル活動の支援も行う計画だ。1人世帯に必要な生活情報の提供や相談を行う「1人世帯支援センター」もソウル市の25区すべてに設立する計画だ。コインランドリーなどの1人世帯に合わせたコミュニティー・スペースも2023年までに100カ所が増える。

 1人世帯がお互いの世話をし助け合うことを基本理念とした「時間銀行」というソーシャル・ネットワークも構築する。これは一人暮らしの人が体の具合が悪い時や緊急の際に、互いに手助けやケアをし合える「助け合い」という考え方に基づいた時間貨幣サービスで、来年から運営する。例えばLさんがNさんの通院に付き合い3時間使ったとすれば、Lさんに3時間が積み立てられ、Lさんはこれを利用して後に自分に必要なサービスを利用できる。

 1人世帯のためのメンタルヘルス・プログラムも実施される。2021年から実施され、孤独、孤立感、社会的断絶を感じている1人世帯が相談、特化プログラムを受けて期待以上の成果を出せば、補償を受けることができる。これは、英国ウスターシャー州で壮年層の孤立を減らすため、孤独にさいなまれたり死別を経験したりした人に対して、孤独指数が好転すれば手当を支給した事例に着目したものだ。

 ソウル市女性家族政策室のムン・ミラン室長は「すでにソウルは3世帯のうち1世帯が1人世帯であるほど、1人世帯が急速に増加している」とし、「1人世帯の生活の多様性を尊重し、孤独や関係の断絶などで孤立しないよう、性別・年齢別・地域別の特性を反映させた体系的な支援を拡大する計画」と語った。

 昨年末現在、ソウル市の1人世帯は122万9000世帯で、世帯総数の32%を占めた。10年前の22%に比べて10%も上昇していることになる。

チェ・ユンテ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/capital/912202.html韓国語原文入力: 2019-10-06 20:00
訳D.K

関連記事