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経営権は振るいながら取締役会には出ない財閥オーナーたち

登録:2019-06-14 10:09 修正:2019-06-14 13:00
イ・ジェヨン16%、チョン・モング0%、シン・ドンビン19% 
登記取締役を担っても3年間の出席率は低調  
市民団体「義務不履行、辞任せよ」
グラフィック_コ・ユンギョル//ハンギョレ新聞社

 サムスンのイ・ジェヨン副会長、現代自動車のチョン・モング会長、ロッテのシン・ドンビン会長など一部の財閥オーナーらが、主力会社の登記取締役を務めていながらも、取締役会の出席はほとんどしなかったことが明らかになり、取締役としての義務を疎かにしているという指摘が出た。

 経済改革連帯(所長キム・ウチャン高麗大学教授)は13日、資産10兆ウォン以上の相互出資企業集団所属の系列会社が公示した企業支配構造報告書をもとに、オーナー一家出身の登記取締役の2016~2018年の取締役会出席の現況を分析した結果、イ・ジェヨン副会長、チョン・モング会長、シン・ドンビン会長、錦湖アシアナのパク・サムグ元会長、コーロンのイ・ウンリョル元会長がほとんど取締役会に出席していないことが分かったと明らかにした。財閥オーナーらが取締役を最初から務めていなかったり、取締役を務めても実際に取締役会には出席せず経営権を行使することは“皇帝経営”の弊害に挙げられる。

 イ・ジェヨン副会長の場合、2016年にはサムスン電子の取締役会出席率は100%だったが、2017~2018年には一度も参加せず、3年の平均出席率が16%に止まった。チョン・モング会長は現代自動車、現代モービスの取締役会出席が3年間皆無だった。シン・ドンビン会長もロッテショッピング・ケミカル・製菓・七星飲料など4社の取締役会に3年間出席しなかった。ロッテ持株の場合、2017年は100%参加したが、拘束収監された期間の2018年は7%だけ出席し、平均出席率が19%に止まった。パク・サムグ元会長もアシアナ航空の取締役会に3年間一度も出席しなかった。イ・ウンリョル元会長は、昨年取締役会への参加率が0%で、2016~2017年は出席したかどうかを確認できなかった。経済改革連帯は「国民年金が指針として、社外取締役の場合、出席率が3年間75%未満であれば問題があると判断しているのを考慮すれば、オーナー一家取締役の疎かな取締役会の出席は取締役の義務をまともに行っていないものとみることができる」と指摘した。

 特に、イ・ジェヨン副会長とシン・ドンビン会長は、国政壟断勢力に対する賄賂供与などの疑いで1・2審の裁判を受けていた時、財界が経営空白を巡る懸念を理由に釈放を主張したが、イ副会長は2018年2月の控訴審で執行猶予で釈放された後、サムスン電子取締役会に一度も出席しなかった。シン・ドンビン会長も昨年10月、控訴審で釈放された後、ロッテ持株の取締役会に一度だけ出席し、ロッテショッピング・ケミカル・製菓・七星飲料の取締役会は全て参加しなかった。経済改革連帯は「財界でいうところの経営が、取締役会を通じたものでないならば何なのか」とし、「イ副会長とシン会長は取締役会出席の意思がないのなら自ら辞任せよ」と要求した。イ・ジェヨン副会長のサムスン電子の登記取締役の任期は今年10月で満了する。

 一方、SKのチェ・テウォン会長、LGのク・グァンモ会長、GSのホ・チャンス会長、韓進のチョ・ウォンテ会長、斗山のパク・チョンウォン会長、LSのク・ジャヨル会長、大林のイ・ヘウク会長、暁星のチョ・ヒョンジュン会長、永豊のチャン・ヒョンジン会長、カカオのキム・ボムス代表、HDCのチョン・モンギュ会長、KCCのチョン・モンジン会長の取締役会出席率は、少なくとも75%を超えた。特にチョン・ウィソン現代自動車副会長は過去3年間、現代自動車、現代モービス、起亜自動車、現代製鉄の取締役会への参加率は0~32%にとどまったが、今年からは現代自動車、現代モービス、起亜自動車の取締役会への参加率が75~100%になり、変わった姿を見せている。チョン副会長の場合、昨年の事業構造再編案が株主の反対で取り消しになり、近く追加再編案を出す予定であるため、取締役会に気を配っているという分析もある。

 財閥オーナーらは取締役会の出席は疎かにしながらも、巨額の報酬を受け取った。チョン・モング会長は現代車・現代モービス代表取締役を務めて、昨年95億ウォン(約8億7千万円)余りの年俸を受け取った。ロッテのシン・ドンビン会長は、ロッテ持株・ケミカル・ショッピングなど系列会社から計78億ウォン(約7億円)余りを受け取った。イ・ウンリョル元会長も32億ウォン(約3億円)を受け取った。イ・ジェヨン副会長は給与を受け取らなかった。

 彼らの取締役会不参加と関連し、サムスン電子の関係者は「イ副会長は裁判が進行中であるため出席しなかった」と明らかにした。現代自動車グループの関係者は「一身上の理由で出席が難しかったと聞いている」とし、「取締役会の主要な案件については継続して報告を受けている」と話した。ロッテの関係者は、「2016~18年、経営権紛争や国政壟断、検察の捜査と裁判が続き、2018年には8カ月ほど拘束され、出席が困難な面があった。釈放後には国外出張が頻繁だったため、出席率が低かったものとみられる」と話した。

クァク・ジョンス先任記者、ホン・デソン、ソン・ギョンファ、ヒョン・ソウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/897733.html韓国語原文入力:2019-06-13 20:14
訳M.C

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