本文に移動

DMZで朝鮮戦争当時戦死した韓国軍の遺骨を初めて発見

登録:2018-10-26 06:55 修正:2023-10-23 07:20
遺骨発掘鑑識団、24日もファサルモリ高地で 
認識票にはパク・ジェグォン…遺伝子分析中 
文大統領「二度とこの地で戦死者が生まれてはならない」 
南北軍事合意の共同遺骨発掘に先立ち 
11月30日まで一帯の地雷・爆発物を除去
ファサルモリで見つかった大腿骨(左)と頭蓋骨の破片(右)//ハンギョレ新聞社

 非武装地帯(DMZ)内で初めて、朝鮮戦争当時に死亡した韓国軍の遺骨が発見された。

 国防部遺骨発掘鑑識団(鑑識団)は25日、9・19南北軍事合意書で合意した南北共同遺体発掘のための地雷除去作業中の24日に、ファサルモリ(矢じり)高地で初めて遺骨を発見したと明らかにした。鑑識団の説明を総合すると、今回発見された遺骨は2柱と推定されるが、認識票やM1大剣、M1弾など、遺品も一部発見された。遺骸が発掘された場所には、地上に大腿骨が、地下20センチの深さに肋骨と頭蓋骨の破片が埋まっていた。認識票には「大韓8810594 PAK JE KWON陸軍」と記されていたが、これまで確認の結果、認識票の持ち主は朝鮮戦争当時、国軍第2師団31連隊7中隊所属のパク・ジェグォン二等中士(現在の兵長)であることが分かった。鑑識団は当時の戦死と火葬報告書、部隊戦死者名簿などを通じて確認作業を行ったという。

今月24日、ファサルモリ高地で発見された認識票=国防部提供//ハンギョレ新聞社

 鑑識団は、この認識票が一緒に発見されたため、遺骨が韓国軍戦死者だと推定しているが、正確な身元は遺伝子分析を通じて確認する予定だと明らかにした。調査結果、故パク中士の2人の弟が生きていることが分かり、彼らの遺伝子サンプルを採取し、遺骨と一致するかどうかを確認する計画だ。兵籍には故パク二等中士が1931年生まれで、21歳で入隊し、1年4カ月後の1953年7月10日にファサルモリ高地(江原道鉄原内門面下徳剣里)で、死亡したと記録されている。

 国防部は25日、ファサルモリ高地現場で見つかった遺骨に対する太極旗(韓国の国旗)の棺包と略式祭礼を行った後、部隊内の臨時奉安所に遺骨を安置する方針だ。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は25日、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に「パク・ジェグォン大韓陸軍二等中士が戦死してから65年ぶりに私たちの元へ戻ってきた。今になってようやく彼に焼酎一杯でも供えられるようなった」とし、「もう二度とこの地に戦死者が生まれることも、65年が経ってから遺骨を探し出すこともあってはならない」と書き込んだ。

 ファサルモリ高地は朝鮮戦争当時、南北が激しい戦闘を繰り広げた「鉄の三角地」の戦闘地域の一つで、1951年11月から1953年7月まで韓国軍2・9師団や米軍第2師団、フランス大隊と中国共産軍が戦闘を行った場所だ。この地域には韓国軍遺骨200柱をはじめ、米軍とフランス軍の戦死者約100人、北朝鮮軍と中国共産軍の遺骨も埋もれていると推定される。

 今回発見された遺骨は「歴史的な板門店宣言履行のための軍事分野合意書」で約束した南北共同遺骨発掘推進地域で初めて発見されたものだと鑑識団は説明した。南北は9・19軍事合意により、来年4月1日から10月31日まで、江原道鉄原郡一帯で南北共同遺体発掘事業を推進することにした。これに先立ち、南北は事前の作業で、今月1日から11月30日まで、ファサルモリ高地一帯で地雷と爆発物を除去する作業を進めている。24日までに、同地域で地雷14発や爆発物187発、M1小銃や大剣など1252点が発見された。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/867298.html韓国語原文入力:2018-10-25 19:38
訳H.J

関連記事