北朝鮮が来月の「政権樹立70周年(9・9節)」を控え、中国人観光客の訪朝を統制すると伝えられている中、欧州の観光客たちはこのような制限を受けていないと、米国の「自由アジア放送(RFA)」が報道した。同メディアは、北朝鮮が9・9節を控えて、外交使節の宿泊所などを確保するために中国人観光客を制限しながらも、高い費用を払う欧州の旅行客は完全に統制していないという分析を出した。
「自由アジア放送」は16日、北朝鮮の観光商品を扱っているオランダと英国の旅行会社の関係者などを引用し、このような事実を報道した。記事によると、オランダのVNC旅行社は15日、同メディアに「(北朝鮮当局が観光を中止するという)話は聞いていない。うちの観光客たちは何の問題もなく旅行している」と話した。英国の旅行社リーゼントホリーデイズでも同様の反応だった。同旅行社のカール・メドウス北朝鮮旅行担当者は「北朝鮮側パートナーに電子メールを通じて受け取ったところによると、中国旅行客たちは当分の間、訪問が禁止されたが、欧州観光客たちは問題ない」と明らかにしたと、同メディアは伝えた。
「自由アジア放送」は、当該旅行社が中国人ではなく英国や欧州諸国の観光客の北朝鮮旅行を斡旋するために、北の観光禁止に影響を受けないと説明したと報道した。実際、英国のルパン旅行社を通じた団体観光客たちは13日、北朝鮮に入国したと伝えられる。
同メディアの報道によると、北朝鮮当局はこれら欧州の旅行社にすぐに観光を中止する意思を明らかにはしていないが、入国ビザの発給を中止してほしいと要請したと伝えられている。「自由アジア放送」は「ルパン旅行社のディラン・ハリス代表は15日、『自由アジア放送』に北朝鮮側から今月末まで入国ビザの発給を暫定的に中止するという話を聞いたと付け加えた」と報道した。一方、スウェーデンのある旅行会社では「入国ビザ申請を来月初めまでに受けないよう、13日に北朝鮮側の相手が通告してきた」とし、「しかし、このような措置の前にすでに入国ビザを受けた観光客らは全く問題なく北朝鮮への入国が可能だ」と「自由アジア放送」に話した。8月と9月初めまでに新しく入国ビザを申請する観光客に限り、入国ビザ発給の猶予期間が適用されるという話だ。
しかし、このスウェーデンの旅行会社関係者は、9・9節直前の9月3日と5日に北朝鮮に出発する予定の団体観光客は事前に入国ビザを取っておいたため、北朝鮮入国には問題はないと言っており、北側が9月9日の政権樹立記念日を控えて外国政府代表団の宿泊施設を確保するために観光客の入国ビザ発給を一時的に猶予すると説明したと「自由アジア放送」は明らかにした。インタビューでスウェーデン・コリア・コンサルトの関係者は「政権樹立記念日行事と集団体操の観覧のため、多くの外国代表団を迎えなければならないために、公式訪問客の数を把握するまで猶予すると聞いた」とし、「彼らが宿泊するホテルの部屋が確保されれば、外国人団体観光客入国ビザ発給を再開するという意味だ」と「自由アジア放送」に明らかにした。
同メディアは匿名の旅行会社の関係者を引用して、「一時的な中国人団体観光中止措置と関連し、政権樹立記念日の準備のために平壌(ピョンヤン)内の外国人観光客数を減らすため、低コスト旅行で観光収入がより少ない中国人の旅行を制限したという分析を出した」と指摘した。