公正取引委員会が組織的に大企業を圧迫し退職幹部を再就職させる過程で、キャリア・ノンキャリア出身に分けて「億ウォン台の年俸指針」まで企業に伝えていたことが確認された。公取委出身者の再就職特典疑惑を捜査中の検察は26日、チョン・ジェチャン元公正取引委員長(62)とキム・ハクヒョン(61)、シン・ヨンソン(57)元副委員長の拘束令状を請求した。
この日午後、ソウル中央地検公取調査部(部長 ク・サンヨプ)は、公取委の人事業務を担当する運営支援課を通じて退職予定幹部の「再就職リスト」を作成・実行するよう指示し、企業の採用業務を妨害した容疑(業務妨害)でチョン元委員長の拘束令状を請求した。当時公取委の事務局長だったシン元副委員長にも同じ容疑が適用された。キム・ハクヒョン元副委員長には、業務妨害容疑とともに2016年副委員長在職当時に二人の子どもの現代自動車系列会社就職請託の容疑(わいろ授受)が適用された。また、2013年公取委1次退職の後、就職制限機関である韓国公正競争連合会会長にポストを移し、政府の公職者倫理委員会の承認を受けなかった容疑(公職者倫理法違反)も適用された。
検察は、公取委が2010年頃から昨年初めまで、毎年4級以上の退職者10人余りを大企業などに再就職させ、この日令状が請求された3人が同時に在職していた時期(2014年~2016年)に退職者の採用圧迫が最も激しかったと把握している。配分された事務室や業務もなく、高額の年俸だけ手にするなど「露骨な採用業務妨害」と見られる再就職者だけで10人余りにのぼるという。
特に当時、公取委は企業らに「行政高等試験出身退職者」(キャリア)は2億5千万ウォン(約2500万円)前後、「非行政高等試験出身退職者」(ノンキャリア)は1億5千万ウォン(約1500万円)前後という億ウォン台の年俸ガイドラインまで策定したという。検察はこうした内容が「事務局長→副委員長→委員長」の承認を経て進行され、その後公取委の運営支援課長が企業の専務級人事担当者などを世宗(セジョン)市の公取委庁舎に呼びだして通知していた情況も把握した。当該大企業の役員は、検察の調査で「不利益を受けることが心配で公取委の圧迫を受け入れざるをえなかった」という趣旨で答えたという。こうした「再就職プログラム」は、昨年キム・サンジョ公正取引委員長の就任後に廃止された。
検察はまた、近く退職者の再就職に関与した疑いを受けているキム・ドンス(2011年1月~2013年2月)、ノ・デレ(2013年4月~2014年12月)元委員長らも呼んで調査する計画だ。承認を得ずに就職制限機関である中小企業中央会に就職したチ・チョルホ現公取委副委員長(57)も公職者倫理法違反の容疑で召喚し調査する予定だ。