北朝鮮の高官級会談延期通知(16日)以降、南北関係にともった「黄色信号」が1週間後の23日、再び「青信号」に変わった。
最初の実践は、咸鏡北道吉州郡豊渓里(プンゲリ)「北部核実験場」の廃棄現場に韓国取材陣が遅れて合流したことだ。22日(現地時間)にワシントンで開かれた文在寅(ムン・ジェイン)大統領とドナルド・トランプ米大統領の首脳会談直後に、公式発表が行われた。朝米首脳会談(6月12日、シンガポール)を成功に導きたい文大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の協力が再稼働されたことを意味する。最近、朝鮮半島情勢が南北米の3角関数に左右されていることを裏付けるものだ。
特に、文大統領がトランプ大統領と首脳会談の過程で「北朝鮮が非難したマックスサンダー韓米合同軍事演習終了日の25日以降、南北高官級会談をはじめ対話再開が行われるだろう」と見通したというユン・ヨンチャン大統領府国民疎通秘書官の伝言は重要だ。文大統領が「25日以降」だと時期を特定して強調した内容に注目する必要がある。南北が「関係改善と発展の転換的局面を開いて行くことにした」(4・27、板門店(パンムンジョム)宣言第1条1項)という文大統領と金委員長の約束を実践する道に再び乗り出したことを意味すると共に、南北の間にすでにかなりの共感があったことを示唆するからだ。
一週間で南北関係を急展開に導いた主な動力源は、国家情報院と統一戦線部の間で稼動した水面下のチャンネルだといわれる。今月18日、北側が南側の豊渓里取材陣名簿の受け取りを“拒否”したことを受け、週末を経て21日頃から国情院と統一戦線部ラインが水面下であわただしく動いたという。文大統領が「さまざまな分析を通じて」関連発言をしただろうという大統領府関係者の話は、これを念頭に置いたようだ。複数の消息筋は「最初は南北の間に隔たりがあったが、22日午後から状況が急進展した」と伝えた。「明日(23日)まで待てば、いい知らせがあるかもしれない」と言っていた「労働新聞」のウォン・ジョンヒョク北京特派員の22日の発言は、水面下交渉の進展を予告する水の上の小さな波紋だったわけだ。
「北部核実験場廃棄式典」を南側取材陣が現場で取材・報道できるようになったのは、南北関係を越える重要性を持っている。「完全な非核化」と「核のない朝鮮半島」の実現という「共同目標」を確認したという南北首脳の合意を実践する行為であるからだ。外交安保分野の高官は「南側取材陣の豊渓里現場取材は、北朝鮮が韓国を非核化過程の主体として公認するという意味であるため、象徴的な重要性が大きい」と指摘した。
マックスサンダー演習が終わる25日以降、南北関係はどのような方向で進んでいくだろうか。文大統領は「高官級会談をはじめとした対話の再開」と表現した。したがって、南北が16日に開くことで合意したが延期された高官級会談から再開する経路があり得る。一方、高官級会談を優先せず、南北首脳が板門店宣言で唯一「5月中に」と開催時期を明記した将官級会談から対話の扉を開く可能性もある。8月のアジア競技大会と関連した南北体育会談は政治的負担が少なく、優先順位が相対的に高い。政府関係者は「韓国と北朝鮮が対話をどのような経路で解決していくかについて、それぞれ内部検討を経て、もう少し協議する必要がある」と話した。