労組組織率「OECD最下位水準」なのはなぜか
2004年以後、組織率10%台から脱け出せず
2016年、正規職の組織率は20%だが
雇用不安が深刻な非正規職はわずか1.8%
使用者が解雇・懲戒など露骨な攻撃
損害賠償請求、さらには偽装廃業まで
不当労働行為も軽い処罰がほとんど
就活生・特殊形態労働者・解雇者は
法的な資格がなく「労組する権利」がない
「民主労総の最大産業別労組の一つである金属労組では、昨年1月以降、実に49の事業場の労働組合が新たに作られました。組合員数も約1万8千人増えました。2006年に組合員15万人で誕生した後、大きな変化がなかった金属労組の組合員数が、昨年以降1年あまりで17万人を超えました」
128回世界メーデー(5月1日)を翌日に控えた30日午前、ソウル中区貞洞(チョンドン)通り。民主労総は記者会見を開き、2016年末の「ろうそく革命」以後の組織拡大現況を公開した。朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾をもたらしたろうそく革命は、労働組合の結成と加入にもつながった。ここ10年あまり70万人前後を維持してきた民主労総の組合員数は、ろうそく革命以降、7万5千人あまり増え、今は80万人を上回る。「地方自治体非正規職労働者から製パン労働者まで、ほぼすべての業種や地域で民主労組の建設と加入の波が作られている」というキム・ミョンファン民主労総委員長の言葉のように、労働者の春がやってきたのだろうか。
労働組合は職場の満足度を高め、労働者の賃金も高める。労組に属さない非組合員の賃金も上げる。だが、韓国の労働組合が直面している現実は酷だ。組織率が先進国の半分にも及ばない非常に低い水準にとどまっている。
雇用労働部の資料によると、韓国の労組組織率は1989年に19.8%の「頂点」を記録した後下落し続け、2004年からずっと10%水準にとどまっている。国内組織対象労働者1917万2千人のうち、労組組合員は196万6千人(2016年)にとどまる。組織率10.3%だ。これは経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち最下位水準だ。OECDの平均は29%(2015年)だ。
組織率が低いため、労組の影響力には限界がある。力がないため労働者の利害と要求を十分に代弁することができない。労働者としての利害関係と要求を集団で主張することに労働者自らが関心を持たない結果なのだろうか? それよりはむしろ機会を遮断されたためである可能性が高い。イ・ジョンヒ韓国労働研究院副研究委員が昨年、月間『労働レビュー』に書いた「労働組合加盟の拡大、労働尊重社会の誘い水」という文によると、韓国の労働組合は主に大企業と公共部門に集中している。大企業や公共部門の組織率は非常に高い。300人以上の事業場だけを見ると組織率が62.9%(2016年)まで上がる。事実上、北欧と同じくらいだ。
一方、労働組合がより切実な人々はそうではない。雇用形態別に見ると、国内の正規職の労働組合組織率は20%である反面、非正規職は1.8%に過ぎない。なんと10倍以上の差がある。継続的な雇用不安と賃金など、各種の差別に苦しむ人々は、逆に自分たちの集団的利害を代弁する手段がない。
2016年の経済活動人口調査の付加調査の結果によると、賃金労働者4人のうち3人(74.3%)は労働組合がない事業場で働いている。13人のうち1人(7.6%)は「事業場に労働組合があるが、自分は加入対象ではない」と答えた。国内賃金労働者の81.9%(74.3%+7.6%)が、労働組合に加入したくてもできない「挫折した組合員」だ。
彼らの大多数は自ら労働組合を作ればようやく組合員になることができる。だが、韓国のように使用者が労働組合に否定的な認識を露骨に表し、不当労働行為を軽い処罰でやりすごすところでは、新たに労働組合を作る事が簡単ではない。サムスン電子サービスで明らかになったように、労組活動を「憲法的権利」と考えず、なくそうとしたり、不当な方法で攻撃するケースも絶えない。
イ・ジョンヒ研究委員は「『労組恐怖』あるいは『労組嫌悪』現象ではないかと思うほどだ。使用者たちは労組を嫌い、嫌いなことを越えてなくそうとまでしている」と述べた。労働組合の活動を業務妨害行為と見て損害賠償訴訟をかけ、給与を仮差し押さえし、経済的打撃を与えることも珍しくない。民主労総は2016年末、傘下の労働組合と組合員に対する損害賠償の請求金額が1600億ウォン(約160億円)に達すると明らかにしている。
低い労働組合の組織率の原因には、労働者性の問題もある。労働者の資格の問題だ。特殊形態労働従事者や失業者などは政府の労働政策や労働市場の利害関係者だが、現行の労働組合および労働関係調整法(労組法)は彼らを労働者とみなさない。彼らには「労組をする権利」も与えられていない。
このような法が厳存するため、文在寅(ムン・ジェイン)政府の雇用労働部も依然として労働組合の認定に消極的だ。2009年から労働組合設立申告書を提出した公務員労組は、今年3月29日になって雇用部から設立申告証明書を受けた。解雇者の組合員の地位を別途規約で決めるとして一歩退いてからだ。公務員労組はやっと「法内労組」になったが、全教組はまだ「法外労組」だ。
イ・ナムシン韓国非正規労働センター所長は「労組を作れば、実際労働者たちの権益が向上する効果がある。賃金が上がり呼称まで変わる。文在寅大統領の執権後、公共部門の正規職化など、労働者寄りの公約が実行された影響で労組の組織率が少しずつ増えている。財閥オーナーたちを中心に労組に対する使用者の不穏な認識は依然としてあるが、サムスンの労組認定で民間部門でも多くの肯定的変化があるだろう」と期待した。