共に民主党と自由韓国党が3~4人選挙区を減らし2人選挙区を増やす方式で基礎自治体議会の選挙区割りをしていることに対し、正義党が「両党は民主主義も割るつもりか」と正面から批判した。
イ・ジョンミ正義党代表は16日国会で記者会見を開いて「いま大韓民国の草の根民主主義は死亡直前だ。すべての基礎自治体議会の選挙区が分割され踏みにじられている]と明らかにした。イ代表は「自由韓国党が絶対多数を占める釜山(プサン)市議会は選挙区画定委が提案した4人選挙区7カ所を全部つぶしてしまった。また韓国党が絶対多数である慶尚北道では、3人選挙区が6カ所減った代わりに2人選挙区は9カ所に増えた。韓国党が多数である仁川(インチョン)では、2人選挙区は7カ所に増やし、3人選挙区は2カ所に減らし、4人選挙区は分割してしまった」として「何があっても自分の票田は独り占めするのだという果てしない貪欲にほかならない」と指摘した。
イ代表は民主党に対しても「非常に残念なことに、改革を先導すべき民主党までが、貪欲の同伴者になっている」として「民主党光州市本部が光州選挙区画定委員会に送った公文書を通して、4人選挙区を2人選挙区に分割してほしいという露骨な要請をした」と批判した。 イ代表はさらに「民主党が過半数を占める京畿道と大田(テジョン)市では、それでも4人選挙区が提案されたのに全部つぶしてしまった。絶対多数を占めるソウルでは4人選挙区が最初に提案された35カ所から7カ所に縮小され、それも可決されるかすら不透明な状況だ」と述べた。
3~4人選挙区は民主党と自由韓国党の他に正義党など小数政党の基礎自治体議会進入の可能性を高めるが、2人選挙区は二大政党だけで分け合う既得権固着化の構造だ。 イ代表はこのように既得権を守ろうとする民主党と自由韓国党に向かって、正面から批判したわけだ。イ代表は「このような両党による分け合いの結果は結局両党による独占」だとして「2014年の地方選挙で、ソウル市基礎自治体議員(区議会議員)の選挙区当選者336人のうち、二大政党の候補でないケースはたったの4人、1.1%だけだった」と述べた。 また、「大田は54人の選挙区当選者のうち、二大政党以外の当選者はゼロだった。どのみち第1党と第2党だけが当選する選挙なので、新人は選挙に挑戦する意欲すら持てないでいる」とした上で、「その結果、地方選挙で無投票当選者が増えているのが実情だ。前回の選挙ではソウルだけで22人の基礎自治体議員が無投票で当選した」と明らかにした。 無投票当選とは、2人選挙区で二大政党の候補だけがそれぞれ1人ずつ登録し、投票なしでも当選が確定される場合を言う。
イ代表は「両党による独占で活力を失った今の地方議会は、腐ってしまった4大河川と同じだ。行政権力に対する牽制は消え、利権追求と各種の奇行で悪臭ばかりが漂っている。基礎自治体議会に問題が生じれば決まって両党の馴れ合いと互いに不問に付すやり方ばかりが横行するということが確認される」として「二大政党は自分たちが独占するために2人選挙区という巨大な堰を築いて、民心が流れなければならない川の水を腐らせている」と批判した。
次いでイ代表は両党に対し回答を要求した。 「自由韓国党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表、ことごとに傍若無人に改革の妨害役ばかりなさるおつもりですか?共に民主党の秋美愛(チュ・ミエ)代表、ずっと黙り通して責任を回避し、この状況を黙認されるおつもりですか?」と尋ね、「いま全国の地方議会が病んでおり、両党代表の責任ある回答を要求している。 選挙区をこのように分割することに対する立場と、地方議会正常化策とを、すみやかに明らかにして欲しい」と要求した。さらに「正義党は民心がそのまま反映される地方議会を作り、ろうそくが要求した地方積弊清算のために最後まで戦う」と付け加えた。