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李明博政府時の国家情報院「政府批判芸能人のプロポフォール中毒の証拠を探せ」

登録:2018-01-17 23:29 修正:2018-01-18 08:39
ウォン・セフン元国家情報院院長と 
キム・ジェチョル元文化放送社長を在宅起訴 
政府に批判的な芸能人を査察・脅迫・懐柔した情況 
ドラマ『アイリス2』製作、国家情報院広報に関心 
地方選挙控え、選挙企画団記者の指向調査も
国家情報院//ハンギョレ新聞社

 国家情報院が、政府に批判的な芸能人を排除するために「関連芸能人の睡眠麻酔剤(プロポフォール)中毒説の真偽を把握せよ」と指示したり、文化・芸術界の親政府化のために「国家情報院賛歌」を製作させていたことが、17日明らかになった。検察はこうした国家情報院の放送掌握の試みと関連して、キム・ジェチョル元文化放送社長とウォン・セフン元国家情報院長を在宅起訴した。

 ハンギョレの取材結果を総合すれば、“李明博(イ・ミョンバク)国家情報院”は、文化・芸術界の親政府化のために政府に批判的な人々を狙った悪意的攻撃をさまざまな方式で試みた。2009年10月、国家情報院は「政府に批判的な発言をした芸能人について、睡眠麻酔剤中毒説の真偽を把握し、麻酔剤中毒説の証拠確保案を見つける」という報告書を作成したことが代表的事例だ。

 芸能人に対する不法な個人情報収集情況もあらわれた。国家情報院が作成した2010年8月の報告書には「個人情報などの収集結果に基づいて、政府批判芸能人を“強硬派”と“懐柔可能な芸能人”に区分し、強硬派については広告など主な収入源を断ち切り社会的に埋葬する」方案が含まれていた。2010年6月に作成された報告書に「政府主管行事などで個別的懐柔を試みる」という内容は、懐柔可能な芸能人を対象にしたものと見られる。

 国家情報院が、文化芸術界を政府や国家情報院の広報目的に動員しようとしていた情況もあらわれた。2010年1月に作成された国家情報院の「当院素材作品および国家情報院賛歌の製作支援で友軍化」という題名の文書には「ドラマ『アイリス2』の製作時、国家情報院職員の役割を強調し、国民安保の強化がストーリーの中によく溶け込むよう努力させろ」という内容が含まれている。ドラマのBGMに関連しても「荘厳な曲と明るく軽快な曲に適合した候補を見つけ厳選して、出演者には国家安保の重要性を強調し国家情報院賛歌の製作を契機に職員の忠誠心を向上させろ」という内容も含まれた。

 この他に、検察は2010年の6・2地方選挙を控えて国家情報院が各放送会社で構成した選挙企画団の記者を対象に、普段の言動など指向を把握させた内容も確保した。

 検察はこうした文書と当時の関連被害者の調査結果に基づいて、ウォン・セフン元院長には文化放送をはじめとする公営放送掌握計画を立てこれを実行した容疑(国家情報院法上の職権乱用および業務妨害)を適用し、キム元社長には国家情報院法違反(職権乱用)および業務妨害、労働組合および労働関係調整法違反容疑を適用し、この日裁判に渡した。

ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/828228.html韓国語原文入力:2018-01-17 20:42
訳J.S

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