「不正の請託及び金品などの授受の禁止に関する法律」(いわゆる金英蘭法・以下請託禁止法)上の公職者などに提供可能な贈り物の上限額が、農畜水産品に限って従来の5万ウォン(約5千円)から10万ウォン(約1万円)に引き上げられる。国民10人のうち9人が支持する請託禁止法の核心規定の中で一つが、施行から1年で大幅に緩和されるのだ。
26日、国民権益委員会の関係者は「27日に全員委員会を開き、贈り物代の上限に例外を認める内容が盛り込まれた請託禁止法施行令改正案を審議することにした」とし、「改正案議決後には政府与党間協議を経て、29日に予定された請託禁止法対国民報告大会で発表する」と話した。これによって通常40日が所要された施行令改正の手続きを急げば、来年2月の旧正月連休から適用される可能性もある。
権益委は今月14日、李洛淵(イ・ナクヨン)首相に「加額範囲の調整を推進した経過と今後の日程」という請託禁止法施行令改正案をまとめて報告したという。同報告書は食事代3万ウォン(約3千円)→5万ウォン▽贈り物代(農畜水産品に限り)5万ウォン→10万ウォン▽慶弔費10万ウォンの維持及び公務員行動綱領における5万ウォンの制限規定の復活▽公立教員の外部の講義料を時間当たり30万ウォン(約3万円)→100万ウォン(約10万円)に調整する内容が柱だ。以後、国政懸案点検会議や党政協議など政府内外の議論過程で、食事代の上限3万ウォンなどは変更せず、農畜水産品に限って贈り物代の上限を10万ウォンに引き上げる方向で意見の一致を見たという。
贈り物代に農水畜産物の例外規定が設けられ、法の施行からわずか1年で請託禁止法を象徴していた「3-5-10」(食事代3万ウォン-贈り物代5万ウォン-慶弔費10万ウォン)の公式にも亀裂が生じることになった。今年10月、ソウル市が公務員および市民3926人を対象に調査した結果、「請託禁止法が韓国社会に肯定的な影響をもたらした」(公務員99%、市民89.9%)、「法の実施が不正請託の慣行や腐敗根絶に貢献した」(公務員85.4%、市民84.8%)という意見が大半を占めた。
これに先立ち、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨年8月28日、権益委の業務報告の際、「請託禁止法を施行して以来、1年が経った。肯定的な面や否定的な面をすべて含め、特に経済的な効果について分析・評価して、国民に報告をしてほしい」とし、「公正で清廉な社会の具現を目指す請託禁止法の趣旨は強化し、法施行に伴う経済的・社会的影響についての研究結果と、国民の意見をもとに、補完策を用意するよう」指示した。これを受けて権益委は請託禁止法施行令改正案をまとめると共に、今月29日に国民向け報告大会を開き、「法施行に伴る社会・経済的効果」の調査結果などを公開する予定だ。