「国情院捜査」のユン・ソンニョル、パク・ヒョンチョル検事
ソウルでなく地方高等検察に再度発令さる
過去事再審で無罪求刑したイム・ウンジョン検事も
副部長検事昇進で 2年目の脱落
国家情報院(国情院)の大統領選世論操作(ネット書き込み) 事件特別捜査チーム長を務め国情院職員に対する逮捕状を執行して大邱(テグ)高等検察に左遷されたユン・ソンニョル検事(56)がついに「復権」されなかった。過去事再審事件で上部の指示を拒否して無罪を求刑し深層適格審査対象に上がったイム・ウンジョン検事(42)も、2年連続で昇進から脱落した。 政権の機嫌を伺わずに所信を守った検事に対する報復性人事と指摘されている。
6日発表された検察の高等検察検事級人事で、ユン検事は大田(テジョン)高等検察に移動した。ユン検事は 2013年国情院書き込み事件捜査過程で検察首脳部の外圧を暴露して捜査チーム長から追放された後、翌年の定期人事で大邱高等検察に左遷された。 ソウル高等検察庁を除く高等検察は検察の中では閑職に分類される。 特に最高検察庁中央捜査部 1・2課長、ソウル中央地検特殊1部長など要職をあまねく歴任したユン検事が高等検察に配置されたことについて、検察内部では「検察自ら主要な人材を浪費している」という批判が出ていた。 このため、ユン検事が今回の人事で第一線の捜査部署に復帰するだろうという観測も出ていた。
ユン検事と共に国情院書き込み事件捜査チームを率いていたバク・ヒョンチョル大田高等検察検事(48)も、今回の人事で釜山(プサン)高等検察に移った。ある検事長出身の弁護士は「左遷性人事で地方高等検察に発令された検事をソウル高等検察庁ではない他の高等検察に発令するのは、事実上出て行けという話だ」と言った。
2012年にユン・ギルチュン進歩党幹事の再審で検察上部の「白紙求刑」(判事の判断で宣告してほしいという趣旨で別に求刑をしないこと)の指示を拒否して無罪求刑をしたイム・ウンジョン検事は、 2年連続で副部長昇進から脱落した。 副部長は一定の勤務期限を満たせば重大な欠格事由がない限り大部分昇進となる職責だ。 イム検事の後輩である司法研修院 31期が今回副部長に昇進した。 イム検事の同期である司法研修院 30期は既に部長に昇進している。 公判能力を認められて検察総長表彰まで受けた経歴のあるイム検事は、最近7年単位で実施される検事深層適格審査対象に上げられ、むしろ退職を心配せねばならない状況だ。
一方、中小企業振興公団採用不正事件でチェ・ギョンファン副首相に兔罪符を与えた捜査を指揮したイ・サンヨン安養(アニャン)支庁長は、検事長昇進候補群に分類される法務研修院研究委員に移動した。 キム・ホンチャン次長も一線支庁長(浦項)に席を移した。ある検察出身の弁護士は 「今回の人事は権力に憎まれず言うことをよく聞く人だけを検察に残すという強いメッセージに見える」と評価した。 ある検察幹部は「所信に従って行動したからといって有能な人を閑職に回すならば、結局検察組織には上司の顔ばかり伺う人だけが残るだろう」と言った。
チョン・ファンボン記者 bonge@hani.co.kr
韓国語原文入力:2016-01-06 19:55