北朝鮮が二日連続で、西海では韓国側の艦艇に対する「照準打撃」を警告し、東海では実際にミサイルを発射して軍事的緊張を高めたことで、その意図が注目される。北朝鮮は8日と9日相次いで、西海軍通信線を通じて、西南戦線軍司令部名義の警告性の電話通知文を大統領府国家安保室に送ってきたと、国防部が明らかにした。
8日送られてきた「緊急特別警告」で、北朝鮮は「今この時刻から尖鋭な西海のホットスポット水域(北方限界線付近水域)で、わが軍の海上境界線を侵犯する傀儡(韓国)海軍艦艇に対して、予告なく直接照準打撃を加える」と威嚇した。国防部が「挑発した場合は、断固膺懲する」と応じると、9日「立ち向かう勇気があれば挑戦して見ろ」と再び挑発を繰り返した。
韓国軍は、西海北方限界線(NLL)一帯で軍事行動に出るための北朝鮮の名分作りである可能性を念頭に置き、対応態勢を強化したことが分かった。国防部は9日、「もう一度、深刻な遺憾を表明する」とコメントした。大統領府も9日キム・グァンジン国家安全保障室長やイ・ビョンギ秘書室長、外交・統一・国防長官らと国家情報院長などが出席した中、緊急国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開きいて対応策を議論した。
北朝鮮は9日、東海で艦対艦ミサイルKN-O1を3発発射する武力示威も行った。合同参謀本部はこの日、「北朝鮮が午後4時25分から5時23分まで、東海元山(ウォンサン)虎島(ホド)半島付近の海上から北東方向にKN-O1艦対艦ミサイル3発を発射した」と明らかにした。これらのミサイルの射程距離は100キロメートルに及ぶ。
北朝鮮が緊張を高めている背景には、最近の対北朝鮮肥料支援の承認や文化・芸術・体育分野の交流提案など、韓国側の「解氷期提案」に対する不満があると分析される。チョン・ソンジャン世宗研究所統一戦略研究室長は「北朝鮮は、韓国政府が金剛山観光再開や5・24措置の解除など積極的なアプローチは回避したまま、自分のメンツを立てるためのイベント的な措置だけ提案していることに対し、不満を募らせている」と述べた。
韓国語原文入力: 2015-05-10 19:56