本文に移動

脱北者団体、天安艦5周忌に対北ビラ撒き中断

登録:2015-03-23 22:38 修正:2015-03-24 07:30
 「北朝鮮の謝罪」条件付きで中止意向
 統一部 「対北ビラ撒き団体には支援しない」
北朝鮮向けビラを風船に吊り下げて散布している脱北者団体。 坡州/キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 天安艦撃沈事件5周忌を迎える26日を前後にして、対北ビラを飛ばす計画を明らかにしてきた脱北者・保守団体が、しばらく対北朝鮮ビラ散布を中断することにした。しかし、彼らは北朝鮮側が「天安艦被撃」を謝罪しない場合は、再度ビラを飛ばすと公言しており、ビラをめぐる対立の火種を残した。

 パク・サンハク自由北韓運動連合代表は23日、ハンギョレとの通話で「北朝鮮が天安艦爆沈を認めて謝罪したら、ビラを飛ばさないという提案を送る」とし「とりあえず天安艦5周忌には対北朝鮮ビラ散布を中断する」と述べた。しかし、パク代表は「謝罪を拒否したり、今月内に答えがない場合は、ビラを飛ばすつもりだ」との条件をつけた。自由北韓運動連合とともに対北朝鮮ビラ散布を準備してきた国民行動本部ソ・ジョンガプ本部長も ハンギョレとの通話で「北朝鮮に時間を1週間ほど与え、それでも謝罪がなければ、(ビラを)飛ばすべきだという考えだ」と述べた。

 彼らが、条件付きでありながら、対北朝鮮ビラ散布を暫定的に中断したのは、最近の北朝鮮が「ビラ散布時には物理的な打撃を加える」と近所の住民に避難を警告したことで、国境地域の住民の危機感と不満が高まった点を意識したためと見られる。政府が自制を要求してきた点も影響を及ぼしたと思われる。パク代表は「統一部の当局者が24日、面談を要請した」と述べた。

 今回の暫定中断により、南北が直ちにビラをめぐり武力衝突する状況は一旦回避された。しかし、これらの団体が、条件付きの再開を公言したうえ、彼らとは別に対北風船団など、いくつかの団体が非公開で対北朝鮮ビラ散布をするという方針を明らかにしており、「ビラ散布」が南北間の軍事的衝突につながる可能性が完全に消えていない。ヤン・ムジン北朝鮮大学院大学教授は、「気分によって言葉を変える個人に南北関係が振り回されるように放置する政府の姿勢が嘆かわしい。実益はなく(南北)分裂を助長するだけの対北ビラ散布を禁止しなければならない」と政府の積極的な対応を求めた。

 一部では、国会に係留中の北朝鮮人権法が通過する場合、対北朝鮮ビラ散布団体に対する政府支援が可能になり、「ビラをめぐる対立」が一層強まるという懸念も出ている。ホン・ヨンピョ統一部長官は同日、就任あいさつを兼ねて新政治民主連合の文在寅(ムン・ジェイン)代表を表敬訪問した席で、「対北ビラをばら撒く団体には支援しないように制度的な対策を講じる」と述べたと、同連合側は伝えた。金武星(キム・ムソン)セヌリ党代表もこの日ホン長官に会った席で、北朝鮮ビラ散布について、国民の安全などを理由に「飛ばさないでほしい」という意向を明らかにしたと伝えられた。

キム・ジフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015.03.23 20:56

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/683618.html  訳H.J

関連記事