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「娘を出してあげてください」今も続くセウォル号行方不明者家族の慟哭

登録:2015-02-16 00:25 修正:2015-02-16 09:17
珍島の事故水域を訪ね”涙の訴え”
セウォル号沈没事故地点の全羅南道珍島郡の屏風島近くの海上の船内でムン・キュヒョン神父(71)が嗚咽する檀園高生徒チョ・ウンファさんの母イ・クムヒ(47)さんを慰めている。アン・クァノク記者//ハンギョレ新聞社

安山を出発した徒歩団の到着に合わせ
事故海域と「つなぐ儀式」
「完全なセウォル号引き揚げ」促す文化祭
市民ら「泣かないでください...ご一緒します」 「うちのウンファがあそこにいるんです。なのにどうして出してくれないんですか」

セウォル号沈没事故地点である全羅南道珍島郡の屏風島近くの海上に設置された直径50センチほどの求刑黄色浮漂。遠くに座礁救助者たちが移送された東巨次島が見える。アン・クァノク記者//ハンギョレ新聞社

 14日午前11時10分、全羅南道珍島(チンド)郡 鳥島(チョド)面 屏風島(ビョンプンド)の北3キロの海上。大事に育てた娘をのみ込んだ海を眺めながら、檀園高生徒チョ・ウンファさんの母、イ・クムヒ氏(47)が堪えていた涙を見せた。イ氏は黄色のパンジーの束を海に投げてから、悲しみに耐えきれなくなったのか、船のデッキに座り込んでしばらく嗚咽していた。

 4・16セウォル号惨事真相究明と安全社会建設のための被害者家族会がチャーターした9.7トン級釣り漁船307トグォン号は、珍島ペンモク港近くのソマン港を出発してから1時間余りでセウォル号沈没海域に到着した。この船には行方不明者の家族6人と犠牲者遺族5人などセウォル号家族11人が乗っていた。彼らは先月26日、京畿道安山(アンサン)を出発して19泊20日の間、450キロを歩んできた歩行行進団がペンモク港に到着する日に合わせ、ペンモク港から事故地点まで海路35キロをつなぐ儀式を行っていた。

 事故地点には直径50センチほどの丸いブイだけが波に揺れていた。行方不明者の家族は徒歩行進団が国土を縦断しながら作り上げてきた「完全なセウォル号引き揚げ」の風を伝えるために激しい風が吹き荒れる船べりに進んだ。

セウォル号行方不明者のクォン・ジェグンさんの兄クォン・オボクさん(59)さんと檀園高教師のヤン・スンジンさんの夫人ユ・ベクヒョンさん(54)が14日、珍道郡屏風島近くの沈没事故地点で干し柿を海に投げている。アン・クァノク記者//ハンギョレ新聞社

「ウンファ〜!」「タユン〜!」

 家族は行方不明者の名前を呼びながら花束を海に投げた。旧正月を控えて準備したリンゴと干し柿を投げる人もいた。 30分ほど停船していたトグォン号が船首を港に向けると、家族の泣き声がさらに高まった。イ氏は「可哀想そううちの娘…、出してあげられなくてごめんね」と嗚咽し、結局倒れてしまった。

 ソマン港に到着した行方不明者の家族は、重い足取りで臨時の宿泊施設が用意されているペンモク港に向かった。行方不明になった檀園高生徒ホ・タユンさんの父、ホ・ウンファン氏(51)は、「いつまで待ったらいいのかわからないのが最も耐え難い。旧正月連休には、国民の関心を促す1人デモを行う計画だ。なぜ被害者がこうまでしなければならないのか、全く分からない」と語った。

14日午後、全羅南道のペンモク港で開かれた「行方不明者全員とセウォル号の完全な引き揚げのためのペンモク港文化祭」に参加したセウォル号家族と市民が、事故で犠牲になった人々を追悼する気持ちを込めて黄色い風船を空に向かって飛ばしている。珍島/キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 この日の午後5時40分、ペンモク港ではセウォル号家族協議会とセウォル号惨事国民対策会議が主催した「行方不明者の全員とセウォル号の完全な引き揚げのためのペンモク港文化祭」が開かれた。この席には徒歩行進団と生き残った檀園高生徒27人をはじめ、全国で「真実バス」に乗ってきた市民など約3000人が参加した。市民らは「泣かないでください」、「最後までご一緒します」と言いながら家族を慰めた。

 セウォル号家族協議会のチョン・ミョンソン代表は「行方不明者を最後の一人まで家族のもとに帰してくれると言っていた朴槿恵(パク・クネ)大統領の約束はどこに行ったのか。政府と与党は特別調査委員会を妨害し、無力化しようとする試みを直ちに中断しなければならない」と促した。参加者たちは文化祭を終えた後、空の星になった犠牲者を慰めるとともに、セウォル号引き揚げを求め、黄色の風船約1000個を夜空に向かって飛ばした。

珍島/アン・グァンオク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.02.15 19:18

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/678513.html  訳H.J

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