京畿道安山市(アンサンシ)の半月工業団地に入居しているある企業が最近、新入社員採用公告を出し「全羅道(チョルラド)出身者は志願が不可」と明示したという報じられ、オンライン空間を熱くしました。 当該記事は3日午後『京郷新聞』が報道した内容ですが。人種差別的の地域差別がいまだに韓国社会に残っているとは、みじめなことこの上もありません。
問題になった企業は南陽工業です。 波紋の大きさを証明するように一時は接続できなかった南陽工業のホームページには4日午後現在、公示文が載せられています。 南陽工業代表理事ホン・ソンジョンの名前で上げられた公示文には「最近、某採用サイトに事実と異なる採用公告が掲載され、記事化されたことに対し非常に遺憾で当惑している」として「会社が人材を採用するにあたって、地域差別は有り得ないことであり、当然南陽工業も地域差別をせずに人材を採用している」と記されています。
故意ではないと言いながら、報道した報道機関に責任を問い、謝罪もせずに遺憾だけ表明しました。「遺憾」は‘心にかなわず虚しく感じたり不満そうだ’という意味で、ここで使うには適切でないようです。 この頃誤用されている代表的な表現ですね。
南陽工業側は事実ではないと言っていますが、疑いのまなざしは簡単におさまりません。最近数年間、少なくとも社会的公論の場では公式化されていない人種差別性地域差別発言は、最近イルベのような極右的指向の人々の間では公然と言われています。 ネチズンたちも今回の波紋がますます右に寄っている社会的ムードと関係がないとは見えないために、猛烈に南陽工業を批判しています。
もし南陽工業の今回の採用公告が事実ならば、法的責任も免れません。 雇用政策基本法第7条によれば、事業主は勤労者を募集し採用する際に、合理的な理由もなく△性別△信仰△年齢△身体条件△社会的身分△出身地域△学歴△出身学校△婚姻・妊娠または病歴などを理由に差別することを禁止しています。
それでは全羅道出身志願不可の採用公告は、どんな過程を経て掲載されたのでしょう。 イ・ドンヨン南陽工業人事総務チーム長は『ハンギョレ』との通話で「採用公告は会社側が出したものではない」として「採用依頼を任せたアウトソーシング企業のうち1社の新入職員のミスにより起こったこと」と話しました。 イ チーム長の説明を総合すると、南陽工業が採用公告を依頼するアウトソーシング業者は10社ほどあるといいます。 毎年、公開採用時に利用しているサイトがあるが、今回は生産業務を担当する社員2人を採用することが目的だったので協力業者に依頼したといいます。 その業者とは、10月22日から協力関係を結んだアウトソーシング企業のインプングローバルです。
3日午前、南陽工業はインプングローバルに社員採用公告を出してほしいと要請しました。 この時、特別な採用要件は提示しなかったといいます。 インプングローバル側で南陽工業の採用公告を作成した社員は、入社して2か月にしかならない20代初めの新入社員でした。 クォン・ヒョクチャン インプングローバル チーム長の説明を総合すると、この新入社員は意欲満々で多くの業者の募集要綱を調べ、就職準備生カフェなどに上がってきたコメントも集めて整理したといいます。 この過程で多くの情報が混ざり、‘全羅道x、外国人x’等の文面が採用公告に混入したと主張しています。
アルバモン(アルバイト募集サイト)には、通常は掲示物を上げれば初めは管理者だけが見られる「待機中」状態になります。この新入職員は別に会社内部の決裁も受けずに掲示物を待機中状態に上げ、この掲示物がアルバモンからすぐに有料決済され、短時間だけ全体公開になったといいます。 クォン チーム長は「修正する内容があり、再び管理者だけが見られる掲示物に転換したが、その間に採用公告画面がキャプチャーされた写真がコミュニティ サイトに公開されたようだ」と話します。
結局、零細な外注業者の経歴の浅い新入社員のミスという話になるのですが…。 信じられないかも知れませんが、現在キャプチャーされた画面にこの新入社員の電話番号があわせて公開され、悪口が込められた携帯メールと電話がかかり続けているといいます。
普通はインターネット サイトに採用公告を上げれば、インプングローバル側から先に連絡してくるが、この新入社員は南陽工業側に知らせもしなかったといいます。 南陽工業のイ チーム長は「採用公告内容のうち、志願資格だけでなく給与などの内容にも事実と異なる部分があった」として「事前にこの内容を見ていたならば、措置を取っただろう」と話しています。 また「南陽工業には800人余りの職員が勤めているが、(安山という)地域特性上、職員の半分がソウル・京畿道の首都圏出身であり、議論になった全羅道出身職員は10%程度」といいます。 南陽工業側も無念だと言っていますが、外注業者にすべての責任を転嫁している感じも拭えません。
ネチズンたちの間では、この新入社員が日刊ベスト貯蔵所(イルベ)サイトの利用者ではないかという疑いが出ています。 クォン チーム長はこれに対して「該当新入社員は日刊ベストがイルベだということすら知らなかった」と伝えました。
真実は相変らず曖昧です。 しかし、全羅道出身志願不可の公告が出たという事実だけは明確に残ります。 これに対する責任は厳重に尋ねなければなりません。 ところで、本当に新入社員の過度な意欲によるミスである可能性もあるのではないでしょうか? 皆さんはどう思われますか?
パク・スジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )