映画『弁護人』の素材になったいわゆる「釜林(プリム)事件」の被害者たちが33年ぶりに国家保安法違反というくびきから完全に抜け出た。
最高裁2部(主審 キム・チャンソク)は25日、釜山最大の容共ねつ造事件である釜林事件で有罪判決を受けたコ・ホソク(58)、ノ・ジェヨル(56)、ソル・ドンイル(58)、イ・ジンゴル(55)、チェ・ジュンヨン氏(62)など5人の再審事件上告審で無罪を宣告した原審を確定した。
裁判所は「原審がコ氏らの有罪判決を破棄し、無罪を宣告したことは当然だ。 原審判決は証拠の証明力を裁判官の自由判断に任せる自由心証主義の限界を抜け出しておらず、検事が作成した被疑者尋問調査、押収物などの証拠能力、利敵表現物の利敵性判断などの法理を誤解していない」と明らかにした。
今年2月に釜山地方裁判所で開かれた原審で裁判所が“コ氏らの国家保安法違反容疑に対して無罪”判決したのは正しかったということだ。 原審裁判所は「当時、警察が令状もなしに被告人を不法に連行して自白を強要した。 被告人が検察で調査される際に『拷問と過酷行為を受けていない』と言ったが、被告人の不法監禁期間が非常に長く、検察が証拠として提示した陳述書も相当な期間が過ぎた後に作成された点等から見て、検察の調書は証拠になりえない」と明らかにした。
釜林事件は、全斗煥政権が釜山地域の民主勢力を抹殺するために、1981年9~10月社会科学書籍を勉強していた学生と会社員など19人を拘束令状も持たずに逮捕し拘束した後、20日以上にわたり不法監禁し拷問してねつ造した容共事件だ。 コ氏らは懲役1年6か月~6年を宣告されて服役したが特赦などで解放された。
ソン・ビョンゴン氏(56)など釜林事件の被害者11人は、1999年11月に釜山地方裁判所に再審を申し込んだが、裁判所は2006年1月に再審申請を棄却した。 ソン氏らが再抗告するや最高裁は2008年10月に7人のみの再審を受け入れた。 また、最高裁は国家保安法違反容疑は拷問など苛酷行為を立証できないという理由で棄却した。 7人は2009年8月、戒厳法と集会および示威に関する法律違反容疑についてのみ無罪を宣告された。
その後、再審を請求しなかったコ氏ら5人は、2012年8月釜山地方裁判所に国家保安法違反容疑を含めて再審を請求した。 裁判所は昨年3月、コ氏らの再審を受け入れた。 今年2月、釜山地方裁判所はコ氏らの国家保安法違容疑は無罪だと判決した。 ついに最高裁もその7か月後にこれら5人の無罪を確定した。