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朴正煕美化の復古史観で教師の再教育を試みる教育部

登録:2014-08-25 19:34 修正:2014-09-03 15:39
韓国史教育を強化すると言い右翼偏向の教師研修
講義内容は「小学校水準・政権擁護」
韓国学中央研究院全景

 韓国教育部の傘下機関である韓国学中央研究院(韓中研)が極右保守に偏向していることに加え、内容もない‘教師研修’を実施していると議論になっている。 講演を依頼されるニューライト指向の教授が、李承晩(イ・スンマン)や朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領を美化したり、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領に対する弾劾政局を事実を曲げて説明するなど、理念的に偏向しているので教師たちの反発を買った。

 国会教育文化体育観光委員会の野党幹事であるキム・テニョン新政治民主連合議員室は24日、『ハンギョレ』に韓中研の「教師とともにする共感韓国学」講義集などの関連資料を公開した。 韓中研が先月末~今月初めにかけて4泊5日(小学校7月28日~8月1日、中高校など8月4~8日)で実施した小中高教員研修時に配布されたものだが、講師名簿を見ると大部分がニューライト指向の教授たちだ。 イ・ベヨン韓中研院長とチョン・ヨンスン教授などの内部講師以外にも、キム・ジュソン韓国教員大学総長、ホ・ドンヒョン慶煕(キョンヒ)大学教授、キム・ヨンジク誠信(ソンシン)女子大学教授が講師陣に含まれていた。

 研修に参加した教師たちは、特にキム・ジュソン総長の講義に強い不快感を表わした。 当初講義集には「私達の子供たちにどのように教えるべきか」という主題で、教育の安定化と公教育の正常化などを講演するとされていたが、実際に行われた講義の内容は、李承晩・朴正煕の美化が主だったという批判だ。 ある教師はハンギョレに「キム・ジュソン総長は李承晩と朴正煕が英雄だと言い、極めて理念偏向的な見解を示したので当惑した。 一部の教師たちが抗議をする場面もあった」と話した。

 キム・ヨンジク誠信女子大学教授は、講義集で盧武鉉元大統領弾劾事態を分析して「与野が共同で大統領弾劾案を通過させた」と主張した。 当時野党であったハンナラ党と新千年民主党が弾劾訴追案を可決させたことを、与党である「開かれたウリ党」までが一緒に行ったと誤って記述していたわけだ。 キム教授は「司法府(憲法裁判所)が独自の決定権を行使するべきだが、法的権威を喪失して政界の決定(総選挙)に追随する決定を下した」と主張することもあった。

 また別の教師も「歴史の教師たちを集めておいて、小学校6年水準で教えた」と期待以下の研修内容を批判した。 彼は「韓国史教育の強化という趣旨で公文書が来たので参加したが、主題に見合う講義は2~3個程度で、残りは一方的に現政権を擁護する教育内容だった」と伝えた。 忠清道(チュンチョンド)から参加したある教師は「研修を申し込む時、講演者が発表されておらず知らずに申し込んだ。 歴史の教師たちには推奨したくない研修だった」と酷評した。

 ソ・ミスク韓中研教学室長は「研修自体は教育部が行ったものであり、外部講師陣は韓中研幹部陣数人が相談して決めた」と説明した。 さらに「研修に参加した教師たちに評価アンケートを書いてもらい、苦労して外部講師を迎えたにも関わらず結果はあまり良くなく、教育部にもその結果を報告した。 来年再び研修を行うかは分からないが、実施することになれば今回の失敗を参考にする」と明らかにした。

チョン・ジョンユン記者 ggum@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/652575.html 韓国語原文入力:2014/08/25 08:17
訳J.S(1494字)

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