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世論調査で優位だったキ・ドンミンはなぜ辞退したか?

登録:2014-07-24 19:43 修正:2014-07-25 00:40
ソウル銅雀乙選挙区に出馬した新政治民主連合キ・ドンミン候補が24日、国会政論館で記者会見を行い「候補職を辞退する」と明らかにしている。 これで銅雀乙の野党候補は正義党のノ・フェチャン候補に単一化された。(ソウル=連合ニュース)

銅雀(トンジャク)乙選挙区の候補単一化が補欠選終盤の最大変数に浮上して
‘国民の厳しい視線を意識…政治的未来を考慮’等 分析

 キ・ドンミン新政治民主連合候補がついにソウル銅雀乙候補職を辞退する‘大乗的譲歩’をした。 これに伴い、銅雀乙はナ・ギョンウォン セヌリ党候補とノ・フェチャン正義党候補の一対一対決で行われることになった。 キ候補がソウル銅雀乙候補職辞退という決断を下したことによって水原(スウォン)丁のチョン・ホソン正義党候補の辞退が予想されるなど、他地域の野党圏単一化も実現するものと見られる。 7.30再補欠選挙は事実上、野党圏単一化で戦われることになる。 この場合、この間遅々として進まなかった各地域の野党候補らが支持率にはずみをつけると見られ、候補単一化が7.30再補欠選挙終盤の最大変数に浮上した。

 キ候補は24日午後3時、国会で記者会見を行い「私が中心に立って戦いたかったが、それは欲心であり傲慢だった」として「全てを取り下げる」として候補職を辞退した。 彼は「ノ・フェチャン先輩が私の分まで役割を果たして、必ずセヌリ党を審判し勝利して欲しい」として「私のこのような決定が野党圏に失望した国民の皆様の心を少しでも回すのに助けになることを願う心」と話した。

 キ候補はこの日午前の段階でも最後まで出馬する意向を表わしていた。 彼はこの日午前SBSラジオに出演し、ノ・フェチャン候補が要求する世論調査を通した単一化方式について「電話有線1,000サンプル以上を一日で終えるということは容易でない。 それよりも信頼が重要だ」として、拒否する意向を明らかにした。 これに先立って彼は23日未明にノ候補に会った時は「後輩に譲って欲しい」とお願いするなど、出馬に強い意志を示した。

 キ候補が意志を変えたのは、何よりも野党圏に対する国民の刺すような厳しい視線を意識したためと思われる。 新政治民主連合の公認波動などで勝負所である首都圏で、野党圏候補らが一つになれない状況が負担として作用したようだ。 特に銅雀乙はキ候補とノ候補が二人とも出馬する場合、敗北は火を見るより明らかな状況だった。 キ候補はこれと関連して記者会見で「野党圏が革新し改革する姿で国民に訴えるのではなく、失望させているようでいたたまれなかった。 野党圏に失望した国民の心情を理解する。 今回の選挙の第一義的な審判対象は朴槿恵(パク・クネ)政府とセヌリ党なのに、自分の意見だけに固執することは問題の本質を曇らせると考えた」と話した。 朴槿恵政府の審判のために自己犠牲の決断を下したという説明だ。

 もちろん自身の政治的未来に対する考慮も作用したものと見られる。 キ候補はいくつかの世論調査で3者対決時にはノ候補よりは支持率が上回ると出てきたが、ナ・ギョンウォン候補との2者対決を仮定した調査ではノ候補に比べて野党圏候補としての競争力が劣ると出てきた。 これはノ候補への単一化がなされた場合に新政治民主連合支持者の大部分はノ候補に移る可能性が高いが、反対にキ候補に単一化した場合にはノ候補の支持層である無党派および進歩的有権者の相当数は投票場に行かない可能性が高いためと分析される。 すなわち、キ候補が単一候補になる場合、選挙結果では敗れる可能性が非常に高かった。 そうなればキ候補は政治的に自分のことだけを考えるという悪いイメージとともに、現実でも敗北という負担を抱くことになり、全てを失うことになりかねない。

 したがって支持率が高い状況でも譲歩する姿勢を示すことが彼としては最善の選択になりうる。 ノ候補に譲歩して選挙運動を応援することによって、彼は野党圏支持者に鮮烈な印象を残すことになり、このような過程は2016年総選挙では重要な政治的資産として作用することになるためだ。

 また、彼の決断を促す声が野党圏から出始めたことも彼には相当な圧力として作用したものと見られる。 イ・チョルヒ イムン政治戦略研究所長は、24日付<ハンギョレ>に掲載したコラム(7.30選挙とパク・ウォンスン)で「銅雀乙の場合、世論調査に照らしてみる時、単一化効果は正義党のノ・フェチャン候補がもっと大きい」として「大義のために譲歩する姿勢を示し、次の総選挙を期することが良い。 また、それが‘ナイスガイ’キ・ドンミンらしい」と明らかにした。 新政治連合のある議員も「キ候補が譲歩することは、自身も生きて、党も生きて、野党圏全体が生きる道だ。 キ候補が決断する以外には方法がない」と話した。

 キ候補の辞退により銅雀乙の候補単一化が実現したことにより、直ちに水原(スウォン)丁でも野党圏単一化が予想される。 明確なつながりはないものの、正義党はこの間、銅雀乙で新政治民主連合が譲歩すれば、水原丁に出馬したチョン・ホソン候補が辞退するだろうと明らかにしてきた。 チョン候補が辞退する場合、こちらはイム・テヒ セヌリ党候補とパク・グァンオン新政治連合候補の2者対決になる。 この間の世論調査で水原丁はイム・テヒ-パク・グァンオン2者対決になれば、超接戦になると予想された。 単一化効果を考慮すれば、パク候補が終盤にはずみをつけることもありうる。 また、隣接した水原丙のソン・ハクキュ候補と水原乙のペク・ヘリョン候補をはじめ、京畿(キョンギ)金浦(キンポ)(キム・ドゥグァン),平沢(ピョンテク)乙(チョン・ジャンソン)新政治民主連合候補らも受恵者になる可能性がある。 7.30再補欠選挙の勝負は今から始まったと言える。 キム・ジョンチョル記者 phillkim@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/648339.html 韓国語原文入力:2014/07/24 16:27
訳J.S(2566字)

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