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殺人事件も起きたというのに…‘上階騒音’まで規制緩和

登録:2014-04-13 22:07 修正:2014-04-13 22:08

国土部・環境部 11日 新基準 立法予告
紛争調停委 現基準より3db引き上げ
実際の騒音差異は2倍程度に達し
‘上階の子供たちがいくら跳ね回っても
ひたすら耐えろということ’批判

 最近、共同住宅の上階騒音紛争が社会問題になっている中で、国土交通部と環境部が10日、これまでよりはるかに緩和された新上階騒音基準を法的基準として提示した。 生活水準の向上に合わせて環境基準も強化してきた流れに逆らう退行的措置という批判が強い。

 国土交通部と環境部は10日 「マンションやテラスハウス、多世帯住宅などの共同住宅で守らなければならない生活騒音の最低基準を定めた‘共同住宅上階騒音基準に関する規則’を用意して11日から立法予告する」と明らかにした。

 立法予告案は子供たちが走ったり家具を引きずるなど部屋の床に直接衝撃が加わり発生する上階騒音と関連して、1分間測定した騒音の平均値である‘1分等価騒音度(Leq)’基準で昼間は43db(デシベル),夜間は38db、‘最高騒音度’(Lmax)基準として昼間57db、夜間52dbを設定した。 テラスハウス・マンションなどアパート以外の共同住宅と衝撃音性能基準が導入された2005年6月以前に事業承認を得たマンションには更に5dbずつ緩和し適用することにした。

 立法予告された直接衝撃騒音基準は、中央環境紛争調停委員会が国際騒音基準と国内上階騒音紛争現場実測結果などを基に2月から紛争調整に適用している基準値(1分等価騒音度、昼間40db、夜間35db)より3dbずつ緩和されたものだ。 1分等価騒音度40dbは、最近建てられたマンションで7才未満の子供が1分に10秒ほど飛び回る時に発生する騒音水準だ。 世界保健機構(WHO)の‘騒音管理指針’は、住居地域の室内では夜間時間帯に騒音が30dbを越えれば睡眠の妨げとなり、昼間には35dbを越えれば対話の妨げになり不快感を感じることになると明らかにしている。

 上階騒音紛争の調整実務を担当してきた環境紛争調停委員会関係者は 「騒音度はログ尺度で上がるので、3dbの騒音度差異は体感騒音量で見れば2倍程になる」と話した。 国土部と環境部が新たに提示した基準が法的基準として確定すれば、上階騒音被害者は今までより2倍ほど大きな騒音に耐えなければならない。 特に5dbの追加騒音まで認められれば、これまでは被害補償を受けられた上階騒音被害の相当数が法的保護網の外に押し出されることになる。 政府が上階騒音紛争管理を放棄して、市民に‘ひたすら耐えるか、自分でうまく解決しなさい’と押し付ける格好という指摘が出る所以だ。

 韓国騒音振動技術士会パク・ヨンファン上階騒音委員長は 「上階騒音紛争現場で測定してみれば、環境紛争調停委員会の1分等価騒音度昼間基準値40dbを越える所は7ヶ所中で2ヶ所しかない。 43dbに5db追加緩和まで適用すれば48dbになるが、このようになれば上階で子供たちがどんなに飛び回っても基準値を越えることは難しいだろう」と指摘した。

 これと関連して環境部キム・ポブチョン生活環境課長は「紛争調停委の騒音基準が過度に前向きに強く設定されたという指摘があり現実化したまで」と説明した。

キム・ジョンス先任記者 jsk21@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/632206.html 韓国語原文入力:2014/04/11 10:08
訳J.S(1496字)