李明博政府時期に時局宣言に参加した教師たちに対する懲戒を先送りした疑い(職務遺棄)で起訴されたキム・スンファン(61)全羅北道(チョルラブクト)教育長の無罪が確定した。
最高裁2部(主審 シン・ヨンチョル最高裁判事)は10日、キム教育長に無罪を宣告した原審を確定した。 裁判所は "時局宣言に対する賛否意見が対立しており、教師たちに対する刑事裁判の1,2審結果も相反するという状況で、キム教育長が最高裁の宣告時まで懲戒を留保したことを職務遺棄とは見られないと判断した原審は正当だ" と判断した。 裁判所はまた "キム教育長は最高裁が時局宣言教師に有罪判決をした当日に懲戒を執行しており、その時まで懲戒を留保したからと言って生徒たちの学習権が侵害されたと見るに足る資料もない" と明らかにした。
キム教育長は2010年7月の就任後、時局宣言に参加した全国教職員労組所属教師たちに対する懲戒を先送りしたという理由で起訴された。 全教組教師3人は李明博政府に反対する内容の時局宣言を主導し、国家公務員法違反などを理由に2009年末に解任と停職1ヶ月などの重懲戒が議決された。 しかし、チェ・キュホ前教育長は2010年1月この3人が国家公務員法違反などの理由で起訴された事件で無罪を宣告されるや懲戒措置を先送りした。 その後、民選教育長として進歩側候補であったキム教育長が当選し、教育部長官は "懲戒を履行せよ" という職務履行命令を発した。 しかし、キム教育長は「1審と2審裁判所がこれらの教師に対して相反する判決を宣告しているので、最高裁判決を待つ」として懲戒を留保し、職務遺棄容疑で起訴された。
全北教育庁は最高裁判決後に出した声明で「最高裁の最終判断時まで懲戒を留保した教育長の行為を職務遺棄だとして起訴したことは明白な検察権の乱用」としつつ「今回の判決を契機に国家権力が我が国の先生の良心と専門性を抑圧する試みはこれ以上あってはならない」と明らかにした。
ノ・ヒョンウン記者、全州/パク・イムグン記者 goloke@hani.co.kr