現職大統領と有力政治家たちを風刺したという理由で劇場封切りが不許可とされてきた映画<自家撞着:時代精神と現実参加>(<自家撞着>・2011年製作)が、控訴審でも‘上映制限は不当’という判決を引き出した。
キム・ゴク、キム・ソン監督の映画製作社‘非妥協映画集団 曲射’は13日 "映画<自家撞着>に対する映像物等級委員会(映等委)の‘制限上映可判定 取消’控訴審でソウル高裁から勝訴判決を受けた" と明らかにした。
映画は主人公である‘ポドリ’が当時ハンナラ党の有力政治家だった朴槿恵(パク・クネ)議員に向かって "お母さん" と叫んで頬を打たれ、李明博(イ・ミョンバク)大統領に比喩してネズミ形の顔を付けた人物を登場させるなど、現実政治を風刺する内容を盛り込んだ。 製作会社側は2011年と2012年に国内封切りのために2回にわたり映像物等級審議を受けたが、映等委が "特定政治家の人権卑下と公権力に対する風刺イメージが強い" という理由、および暴力性、扇情性などまで問題にして‘制限上映可’判定を下した。 国内では該当等級の映画を上映する劇場がなく、映等委の‘制限上映可’判定は事実上‘上映不可’として扱われる。 これに対して製作会社側が‘制限上映可等級は不当だ’として行政訴訟を提起し、昨年1審では勝訴したが直ちに映等委が控訴していた。 以後、映画は国内封切りが延ばされるや昨年6月<ポドリ君の家族残酷史X>というタイトルで日本で先に封切り上映され、当時日本での観覧等級は‘中高生観覧可’であった。
映画を演出したキム・ソン監督は<ハンギョレ>との通話で 「国内で特定映画の上映を禁止する制限上映可問題は昨日今日のことではないが、政治的表現を問題にするのはその中でも異例」とし 「控訴審裁判所が表現の自由に対して正確な判断を下し、このような論議は<自家撞着>が最後にならなければならない」と語った。
ホン・ソクチェ記者 forchis@hani.co.kr