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"遺書代筆" 再審公判のカン・ギフン氏「誤った判決正してほしい」

登録:2012-12-22 15:52 修正:2012-12-22 17:46
20年ぶりの法廷で むせびながら訴え
1990年代"韓国版ドレフュス事件" と呼ばれるいわゆる "遺書代筆事件" で実刑判決を受けて服役したカン・ギフン(48)氏が20日午後、ソウル瑞草洞(ソチョドン)のソウル高裁で開かれた初めての再審裁判に出席するところ。 リュ・ウジョン記者 wjryu@hani.co.kr

 1991年明知(ミョンジ)大の学生カン・ギョンデ氏死亡事件以後自ら命を絶ったキム・ギソル(当時25)全国民族民主運動連合社会部長の遺書を代筆したという容疑(自殺ほう助)で1992年懲役3年を宣告されたカン・ギフン(48)氏が、20年ぶりの20日午後に開かれた初めての再審裁判に出席した。 再審裁判は2009年ソウル高裁が再審開始決定を下して3年、再審開始決定に対する検察の即時抗告が最高裁で棄却されて2ヶ月後に始まった。

 最近肝臓癌の手術を受けて健康状態の良くないカン氏はやつれた顔に黒いスーツでソウル高裁刑事10部(裁判長クォン・ギフン)法廷に姿を現した。 検察と弁護人が控訴理由を述べたあと、カン氏はあらかじめ用意してきた文を読みあげて再審裁判に臨む心情を明らかにした。

 彼は「推し量り得ないほどの苦痛と怒りの中で獄中生活を送った3年とその後現在まで、私が一貫して言い続けてきたことはただ一つ、誤った判決を正さなければならないということだった」と言ったあと、「20年前の検察の控訴状は実に嘆かわしいものであり、裁判所の判決文はとうていうなずき難いものだった。 巨大な偽りと謀略、虚構、非常識の上に立つ怪物のように見えた。 検察と裁判所は実体的事実の糾明が重要なのではなく、私を犯人に仕立て上げたかっただけだった」と語った。

 彼は喉を詰まらせながら続けた。「公権力の皮を被って多くの人の人生を破壊し虚偽を真実だと主張している状況を考えると、腹が立って腹が立って眠れなかった。 再審の機会を開いてくれた裁判所に対して、いま有り難く思わなければならないのか分からないほど不信の思いが深い。」 そして「この裁判は私にとって非常に大きな意味をもっており、どうか過去の時代の暗い記憶に終止符を打つ契機になることを願う」と話を終えた。

 この日法廷で検察は「去る10月の最高裁の再審開始決定が刑事訴訟法第420条2号(原判決の証拠になった証言などが虚偽であることが証明された時)によるものであるから、再審の審理もやはり、1991年当時の国立科学捜査研究所の文書鑑定人の偽証がカン氏の有罪を覆しうるか否かのみを審理すべきだ」という趣旨で主張した。

 反面、弁護人は最高裁がカン氏の遺書代筆の事実そのものについて判断を留保した以上、この部分に対する審理もやはり進行されなければなければならないと主張した。 カン氏の弁護人は「最高裁も<真実・和解のための過去事糾明委員会>の筆跡鑑定結果を新たに出てきた証拠として認めたので、裁判で十分に調べる必要がある」として、キム氏の筆跡を確認できるノートなど1991年の検察捜査当時押収した資料を法廷で公開することを要求した。

裁判所は来年1月31日を公判準備期日とし証拠および証人を採択する予定だ。

パク・テウ記者ehot@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/566337.html 韓国語原文入力:2012/12/20 20:22
訳A.K(1486字)