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"バブル周期から見ると TNT 136㎏ 水中爆発 推定…海軍機雷と一致"

原文入力:2012/08/27 09:46(2682字)

←平沢(ピョンテク)2艦隊に展示中の破壊された天安(チョナン)艦前で去る16日午前、海軍公報将校が襲撃経緯などについて<ハンギョレ>取材陣に説明している。 平沢/イ・ジョンア記者 leej@hani.co.kr

キム・ソグ博士との一問一答

ロシア核潜水艦爆発糾明時のように
バブル周期0.99秒見つけ爆発量を算定
合調団が明らかにした250㎏では
バブル周期が大きくなりすぎ話にならない

水中では爆発エネルギーが拡散しにくい
合同調査団 水中爆発の特徴調査 おざなり
70年代 136㎏ 機雷設置記録見て
シミュレーションで確認してみるとぴったり一致

 天安(チョナン)艦が味方の機雷の水中爆発で沈没した可能性が高いという科学論文を国際学術誌に発表したキム・ソグ博士(韓国地震研究所長)は22日「私たちの論文の結論が合調団のものと違った理由は、合調団が水中爆発の特徴と動力学を注意深く扱わなかったためだと考える」として、事故原因の再調査が必要だと明らかにした。 水中爆発の爆薬量がTNT136㎏と小さく算出された理由については「陸上爆発の時とは異なり水中では爆発エネルギーが拡散しにくく小さな爆発量でも大きな効果が現れる」と説明した。

-天安(チョナン)艦事故民軍合同調査団の結論に反論する研究論文を出すということは容易ではなかったと思うが。

"これは重大懸案だ。 私はこの分野で多くの経験をした。 地球物理学(地震学)を専攻し、博士学位論文も爆発と自然地震を区別する方法に関するものだった。 米国の学者らと南太平洋で6ケ月間にわたり海洋探査をしたこともあって西海(ソヘ)沿岸の海底地層を調査したこともある。 1970年代末‘誘致科学者’として国内に入ってきて漢陽(ハンヤン)大に地震研究所を作ることもした。 ところで天安(チョナン)艦事故と関連して出てくる話を聞いてみるととても問題が多かった。 地震学と海を研究する学者としてきちんとするべきだとの責任感もできた。 それでこの問題をずっと研究してきた。"

-論文の結論を再び整理してほしい。

"天安艦事故の原因は水中爆発だということが一番目の結論だ。 3種類の根拠がある。 最初に、爆発時には地震波形が大きく異なるが、今回そのような特徴として初動が圧縮波の波形が現れた。 二番目、水中爆発時には二種類の波が生じる。 一つはバブル(爆発ガスで急速にできるバブル)であり、他の一つは方向波(水中音波の一種で海底と水面を行き来する波だ。 今回バブルと方向波が両方現れた。 三番目、自然地震の時にはない空中音波と超低周波が観測された。"

-さらに重要な結論として、今回の論文は爆発の地震規模は2.04,爆発水深は8m、爆薬量はTNT136㎏と提示した。 合調団報告書内容とは大きく異なる。

"2000年にロシア核潜水艦クルスク号が深海で爆発した時、爆発規模と水深を糾明できたのは水中音波からバブル周期(バブルが一回膨張・収縮する時にかかる時間)を見つけ出したためだ。 バブル周期が分かれば、爆発量と水深が分かる。 私たちは観測データから0.990秒のバブル周期を抽出した。 水中爆発の方程式と分析モデル(BEM),シミュレーションの種々の方法を使って交差確認をしてみると、TNT136㎏が水深8mで爆発する時の観測データから得たバブル周期が出てきた。 合調団が明らかにした250㎏ではバブル周期が大きくなりすぎ現実的可能性がないと判断した。"

-今回の論文で爆発の地震規模は2.04で、以前より大きくなったが爆薬量は136㎏で以前より減った。

“私たちの論文は合調団の結論が間違いだということを言っている。 海底地震も地中で起きることだ。 大地を通じて地震波としえ観測される。 ところが今回の爆発は地中でなく水中で起きたのだ。 海底地震の時に使う一般公式で計算して爆発の地震規模を算出してはならない。 そして水中では水の物質特性のために爆発エネルギーが拡散しにくい。 反面、陸上爆発ではエネルギーが拡散しやすい。 それで同じ量の爆薬が爆発した時、水中では規模がより大きく現れる。”

-爆薬量を算出するのに使われるバブル周期は大変重要な値であるようだ。ところで合調団の結論ではバブル周期が1.1秒と提示された。

“私たちは観測データを使って高解像周波数分析でバブル周期を算出した。 決まった公式があるので数値は変わりえない。”

-今回の論文の検証過程は?

“学術誌に載せられる論文であり、当然専門家評価委員の審査を経た。 また、昨年からワシントン大学、オレゴン州立大学、セントルイス大学、シンガポール大学で論文の主な内容を発表し、専門家たちの意見を聞いて補完した。 共著者であるギタマン博士は2000年のロシア クルスク号核潜水艦の水中爆発を似た方式で研究して論文を出した方であり、分析過程を手伝ってくれたトゥレフ オレゴン州立大教授、クブチョン シンガポール大教授、チャン・アマン ハルビン工大教授は波形分析とバブル動力学、シミュレーション分野の専門家たちだ。”

-合調団と今回の論文の分析過程で大きく異なる点は何か?

“私たちは地震波、空中音波、水中音波の色々なデータを総合し、水中爆発の特徴に合わせて流体力学、特にバブル動力学を利用して扱った。 コール方程式、境界要素分析法(BEM),3次元シミュレーションなど3種類の方法で結論を確認する過程を経た。”

-TNT136㎏という特定の爆薬量を指定した理由は?

“計算してみれば爆薬量が136㎏近辺の値と出てくる。 ところでTNT136㎏級機雷を海底に設置したという歴史記録があって、その機雷が現存するので特定の爆薬量をモデル(BEM)とシミュレーションで再確認してみたのだ。 すると合致した。”

-準備していた次の論文は?

“仕上げ段階にある。 次の論文では船体とバブルの相互作用を扱うシミュレーション結果を本格的に扱おうとしている。 プロペラが曲がった方向も重要な端緒として扱っている。”

オ・チョルウ記者 cheolwoo@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/548820.html 訳J.S