原文入力:2011/11/15 19:15(1185字)
アン・チョルス ソウル大融合科学技術大学院長が、このほど1500億ウォン規模の財産を社会に還元すると明らかにした。 自身が所有するアン・チョルス研究所の持ち分の半分を寄付して低所得層の青少年の奨学金などに使うということだ。 アン院長の度量ある寄付は長らく抱いてきた決心を実践に移したことなので爽やかな感動を覚える。 アン院長は志を同じくする友人がいると明らかにして、新しい寄付文化に対する期待を持っている。
最近になってアン院長は、彼を抜きには政治構図を論じにくいほど政治的な比重が高まった。 そのために彼の真意とは関係なく、寄付行為と関連して政治的脈絡であれこれ解説されるのも無理はない。 ただし政治参加のための計算された歩みとする見方はあまりに偏狭で作為的だ。 民主党イ・ヨンソプ スポークスマンが話した通り、政治とは概して苦しく困っている人々の涙をふいてあげることであり、このような点でアン院長は政治をしようがしまいが、すでに私たちの社会の助けになる大きな 政(まつりごと)をしているとみられるだろう。
アン院長の寄付は分かち合いに対する彼の哲学に基づいた新しい寄付の空間を開いたということに大きい意味がある。 純粋な寄付として見るのが難しかった一部財閥総師と政治家たちの義捐金とは格が違う。 かつて無料ワクチン普及などで分かち合いを実践してきたアン院長は‘noblesse oblige(指導層が持つ道徳的義務)’を強調してきた。 彼は自身が成し遂げたものは自分だけのものでなく、恩恵を受けた分、先頭に立って共同体のために貢献する必要があると話してきた。 ゲイツ財団を設立した後280億ドルを寄付したビル・ゲイツ マイクロソフト会長、金持ち増税を主張した世界的資産家ウォーレン・バフェットのように共に生きていく共同体のために社会的責任を全うしたのだ。
寄付が構造的な問題を温情主義にすりかえるという指摘もあるが、純粋な分かち合いは貴重で大切だ。 ゲイツとバフェットが主導する寄付の誓約に米国の400番内の億万長者の相当数が参加し、英国でも金持ちたちの間で遺産の10%を慈善団体に寄付しようというキャンペーンが活発に広がっている。
全財産を寄付する篤志家やひっそりと寄付を継続する人々が私たちの社会にも少なくないが、本来財力ある企業家らの度量ある寄付は柳韓洋行創業者の故ユ・イルハン博士くらいしか例がない。 アン院長の行いで私たちの社会を抱擁する、美しい寄付と社会的弱者に対する連帯意識が広がることを願う。
原文: 訳T.W