原文入力:2011-04-01午後01:23:47(2061字)
←ソン・デイン キム・グァンス経済研究所副所長
筆者は何日か前、租税正義を打ち立て財政構造改革を推進する草の根市民の会である「税金革命党」をつくろうと提案した。反応は熱かった。 筆者がフェイスブックに開設した「税金革命党」のサイトの加入者が一日半で1000人を越えてしまった。 数ヶ月前に開設された主要報道機関のサイト加入者が400~500人水準であるのと比較すれば、爆発的反応といえる。
人々が税金革命党のサイトに残した書き込みを見れば、租税正義と財政構造改革に対する市民の渇望がどれほど切実なものかを察することができる。
「福祉の恩恵を受けている者は感謝しろというキム・ファンシク国務総理のような意識を持った人が皆いなくなるその日まで。」 「脱税者が国税庁長になるのを放っておいてはいけないでしょう?」「税金は私が出しているのに、何であんたらが恩着せがましいことを言う?」「私はあんたらが私のお金でもって この前の国会で何をしたかを知っている」「すべての権力は国民から生まれ、その国民が税金を出す。故に税金は主権だ」「私たちが凝視している。正しく使え」「うちの旦那が春の日差しに真っ黒に日焼けしながら稼いだお金で税金に払い、生活の苦しい隣人、見てくれる人の必要な子供たち、そして私たち皆が幸せな社会のためにどうか使ってほしい…」
税金革命党のオンライン スタート(?)に歩調をそろえるかのように(冗談だ。そんなはずがないことは筆者もよく知っている)、政府が31日「公正な社会実現のための租税正義実践方案」なるものを打ち出した。この方案に対する具体的論評は今日のコラムの主題でないので省略する。 筆者が今訊ねたいのは、現政権の裏表のある行態だ。 イ・ミョンバク大統領は国税庁で開かれた第2回公正な社会推進会議を主宰して「誠実な納税がすなわち愛国である」と言った。 ユン・ジュンヒョン企画財政部長官も「租税正義の核心的価値は公正な課税と誠実な納税である」と言った。
言っていることは良い。しかし現政権がこれまでやってきたところを見れば、額面どおりに信じることはできない。イ大統領は数百億ウォン台の資産を保有していた2000年~2002年の間、事実上の税金とも言える健康保険料を1万~2万ウォンしか出してない方だ。 また、特検捜査の結果 明らかになった秘密資金だけでも4兆5000億ウォンというイ・ゴニ三星会長を“超高速赦免”してやった方でもある。チェ・ジュンギョン知識経済部長官をはじめ現政権の相当数の閣僚や、結局落馬はしたけれども大統領が長官候補に指名した人々の脱税や財産・所得の記載漏れ疑惑は数多く提起されている。
しかもイ・ミョンバク政府の基調は“金持ち減税・庶民増税”ではなかったのか。 現政権になって国税収入の3大軸のうち法人税・所得税の税収は減ったのに、すべての国民が所得水準に関係なく出す間接税の付加価値税は増加し続けている。 不動産保有税である総合不動産税は無力化されたし、多住宅投機者と建設業界を支援するために取得税と譲渡税なども大幅に減免された。 このため「庶民経済支援のための税制改正案」と騒ぎ立てていた減税政策以後、高所得層の経常租税負担はぐっと減った反面、低所得層の負担は確実に増えた。
正直で誠実な納税者だけが“カモ”になる現実は、またどうなのか。 不動産・株式で数千万~数億ウォンの譲渡差益を得た人々でさえ、それに対する税金は一文も出さないというのに、年俸数千万ウォンの勤労所得者は年間数百万ウォンの税金を源泉徴収されている。健康保険の職場加入者には高額所得者が多いが、地域加入者には高額所得者は絶滅の危機にあるかと思われるほど脱税が蔓延している。“飯場食堂 不正”の件で高位級の人士がズルズルと芋づる式に出てくることからも分かるように、腐敗と各種秘密資金の温床である建設業界では毎年10兆~20兆ウォンずつ秘密資金が造成され数兆ウォンの脱税が横行している。
このような構造的現実を正さずに、そしてイ・ミョンバク大統領をはじめとする現政権の為政者らの個人的・政策的誤りに対する痛切な反省が先行することなくしては、決して租税正義は実現されない。そこで、税金革命党のサイトに次のような冷笑的反応が出てくるのも当然だ。「イ・××会長が“正直”についての新しい定義(※)を下されるや、(イ大統領は)またまた競争意識が発動して“愛国”について新たな定義を下されたようですね」
※訳注:三星グループのイ・ゴニ会長は、自身は秘密資金の件でも大嘘をつきながら「国民がもう少し正直に暮らしたら良いと思う」と発言をした経緯がある)
ツイッター@kennedian3
原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/470866.html 訳A.K