原文入力:2010-10-11午後08:39:51(1754字)
←ホルゴ ハイデ ドイツ社会経済行為研究所所長
"あのー辞めます。さようなら。お元気で!" ノルウェー公営放送<エネルコ>(NRK)の43才の女性ニュース アンカー ピア ペアテ ペデルセンがスタジオを去った日、最後に残した言葉だ。ニュースも読まなかった彼女は代わりに雇い主が職員たちに耐えがたい圧迫を加えてきたと非難した。彼女はまた、きちんと食べて夜はゆっくり眠り、そして息が出来ることを望むと宣言した。慎重に考えたあげく彼女は人生で最も重要なものは自分自身という結論を下したと話した。
彼女は<エネルコ>ウェブサイトにしばらく上がっていた文で、非人間的な人事制度、ストレス、社員の視角と不満を握りつぶしたり最初から聞きもしない管理者らに対して知らせた。彼女は<エネルコ>だけでなく社会全体で徐々に進行している恐怖の感情に対し世間の注目を集めることを望むと話す。
この前職アンカーの描写によれば、会社のリーダーシップ システムは、社員間の差別を目標にする "ストレスによる管理" だ。新しいシステムではない。新自由主義世界化時代に爆発的に強化されたシステムだ。上司たちはいつも "危機" を強弁し、社員に絶えず強い水準のアドレナリンを生産させる。こういう行動は伝染性が強く、ストレスに感染した社員たちは同僚にもストレスを伝播する。大部分の人々はストレスを感じ、自身が病気にかかったという事実を知ることになる。しかし弱者や敗北者と見られ、次のプロジェクトに参加できなかったり昇進できないかも知れないという恐れが自身の感情や洞察よりさらに強いこともある。
洞察と正しい対処不能の間の不一致に耐えられなくなれば、人々は自身の無抵抗を正当化しようとする。最も明確な主張は当然と考えられる社会的地位と収入の喪失、特に家族に対する打撃だ。時には問題は簡単に無視される。恐怖に注意を注ぐことが出来ない結果は良く知られている。仕事場で死に追い込まれるほどの精神的そして肉体的疾病だ。
機関士とトラック運転手が仕事をしなければならない状況で受ける過度なストレスの結果は致命的な列車・自動車事故を産む。鉄道運行時間が正確なことで世界的に名声の高い日本のケースを例に挙げることができる。
日本鉄道の運行時間が正確な背景は、とても珍しく 関心を引いた。列車機関士が途方もない事故を起こした2005年4月の事件のような時にだけそうした。当時、機関士は決まった運行時間より90秒遅れたので、許されたよりはるかに速く列車を運転した。機関士が規定違反行為をした原因は、会社から懲戒を受けることが恐ろしかったためでありうる。もし恐怖のためだとすれば根拠のない話ではなかった。労組スポークスマンは会社が意図的に恐怖を 社員を屈服させる手段として使ったと話した。
去る数年間に数千名が職場の要求と上司や同僚の不当な待遇に耐えられずに自殺した。‘過労死’という日本語に対する国際的論争が流行した当時、過労死は一般的に慎重に計画されたことだった。大部分の場合、問題の人は遺書を通じて耐え難い勤務環境に対する不満を現わした。
反面、時には自身が失敗したという感じと共に生きていくことができないほどの耐えがたい羞恥心が生じるケースがある。3週間ほど前、フランスでは49才フランステレコムのエンジニアがこれ以上むだな話で苦痛を受けることはできないとし、上司に大声を張り上げた後、刃物で自身の胸を刺した。フランステレコムは1990年代に民営化され、市場競争の圧力に完全に露出した。だが、公務員たちの自殺率も大きく増加している。さらにそこでも社員たちの間の差別と関連した圧迫がある。市場競争は公的金融危機を通じて伝染した。これはノルウェー公営放送にも有効だった。
ピア ペアテ ペデルセンは恐怖を感じ、これを真剣に考えた。彼女は自身の人生のために決心した。
ホルゴ ハイデ ドイツ社会経済行為研究所所長
原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/443273.html 訳J.S