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[社説]ゼレンスキーの訴えに「がらんとした国会」が見せた恥ずかしい韓国の外交

登録:2022-04-13 06:41 修正:2022-04-13 07:27
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が今月11日午後、ソウル永登浦区の国会図書館大講堂でオンライン演説を行っている=国会写真記者団//ハンギョレ新聞社

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が11日午後、韓国国会で行ったオンライン演説を聞く議員たちの姿は、国際秩序の変化に無関心な韓国政治の現状を示しているようだった。同氏の兵器支援要請は確かに頭を悩ませる問題だが、政治家たちの誠意のない態度は批判されて当然だ。

 ゼレンスキー大統領が外国の議会を相手に行った演説は今回が24回目で、アジアでは日本に次いで2回目だった。しかし、今回のように聴衆席ががらんとしたのは初めてだった。議員300人のうち約60人だけが出席し、座席300席の会場ががらんとしていた。与野党の指導部は出席したが、パク・ビョンソク国会議長ら国会議長団の姿は見当たらなかった。場所も国会本会議場ではなく、国会図書館の大講堂だった。約17分の演説にも集中できず、携帯電話を見る議員も目についた。これまで23カ国のオンライン演説の度に沸き起こったスタンディングオベーションもなかった。

 ゼレンスキー大統領は、「韓国は1950年に戦争を経験し、多くの民間人が命を失った。しかし、国際社会の助けで乗り越えた」とし、朝鮮戦争を経験した韓国人たちに共感と連帯を訴えた。さらに、「我々がロシアの戦車や軍艦、ミサイルを阻止できる軍事装備が大韓民国にある。ロシアに対抗できるよう助けてほしい」と述べ、韓国の兵器支援を要請した。

 多くの民間人が虐殺され、都市が破壊され、東南部地域に対するロシア軍の大攻勢が迫っているウクライナの切迫した状況からして、十分理解できる要請だが、韓国として難題を投げかけられたことになる。北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行い、核実験再開のシグナルまで見えるなど、安全保障をめぐる情勢が複雑になっている。米国と欧州の一部国家を除いては兵器支援をしない状況で、韓国の支援が北東アジア情勢の対立をさらに悪化させる恐れがあるというのは妥当な懸念かもしれない。また、兵器支援が早期の戦争終結と平和よりも対立の激化をもたらしかねないことから、韓国政府の「破壊兵器の支援はできない」という方針はやむを得ない選択だと言える。

 しかし、ウクライナの状況は国際秩序の重要な岐路になる可能性があり、韓国にとっても決して「他人事」ではない。兵器支援問題とは別に、韓国の政治家たちはゼレンスキー大統領の訴えに耳を傾け、我々にできることを真剣に悩むべきだった。「世界10位の先進国」や「国際社会での役割の強化」を強調した韓国の政治家たちはいったいどこに行ったのか。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1038614.html韓国語原文入力: 2022-04-13 02:42
訳H.J

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