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[社説]関連各国の「朝鮮半島外交」に弾道ミサイルで対応した北朝鮮

登録:2021-09-16 07:05 修正:2021-09-16 07:47
文在寅大統領は15日、大統領府を訪問した中国の王毅国務委員と会談した=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮は15日午後、東海上に高度約60キロメートル、射程距離800キロメートルの短距離弾道ミサイル2発を発射した。北朝鮮が新型の長距離巡航ミサイルを試験発射したと発表した2日後だ。

 北朝鮮の弾道ミサイルの発射は、朝鮮半島情勢をめぐる関連各国の外交の最中に行われた。この日午前には韓中外相会談が行われ、午後には中国の王毅国務委員兼外交部長が文在寅(ムン・ジェイン)大統領を表敬訪問した。文大統領は王毅国務委員に「北京五輪が平昌五輪に続く北朝鮮との関係を改善する再度の転機となり、北東アジアと世界の平和に寄与することを願う」と述べ、「朝鮮半島非核化および平和の定着のための中国の大きな役割を期待する」と伝えた。王毅国務委員は「北京五輪が南北関係の改善のきっかけになるよう努力する」と答えた。北朝鮮は、王毅国務委員が文大統領を表敬訪問した直後に弾道ミサイルを発射した。

 前日には、東京で行われた韓米の北朝鮮核問題首席代表による協議の後、米国務省のソン・キム北朝鮮担当特別代表が「非核化の進展と関係なく、人道主義的懸念を解消するため、北朝鮮と協力する準備ができている」と強調した。外交部のノ・ギュドク朝鮮半島平和交渉本部長も「韓米は北朝鮮が応じれば、ただちに北朝鮮と協力できるよう、事前準備を整えておく方針」だと述べた。

 韓国政府は、米国や中国などと緊密に調整し、北朝鮮に対する人道協力事業の準備を進めるなど、朝鮮半島平和プロセスの再稼動のための全方位で外交的な努力を続けてきた。しかし、北朝鮮は最近、寧辺(ヨンビョン)の核施設を再稼動する動向が捉えられたのにつづき、長距離巡航ミサイルと弾道ミサイルを相次いで発射するなど、緊張の度合いを少しずつ高めている。弾道ミサイルの発射は国連安保理決議違反だ。

 北朝鮮の弾道ミサイル発射は、韓国が独自開発した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を試験発射する日程も念頭に置いたものだとみられる。この日午後、文在寅大統領が参加したなか、島山安昌浩艦(3000トン級)に搭載されたSLBMが水中から発射され、目標地点に命中した。韓国は世界7番目のSLBM運用国になった。

 北朝鮮のたび重なる武力誇示は、国防力を強化しようとする過程であると同時に、国連と米国が「制裁緩和」の要求を受け入れないのであれば、韓米が準備中の人道支援だけでは対話に乗りださないという意向を表明したものだとみられる。しかし北朝鮮は、まずは対話の場に出てきて交渉を始めなければ、制裁緩和と経済難の克服も不可能だということを心掛けてほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1011908.html韓国語原文入力:2021-09-16 02:33
訳M.S

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