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[朝の陽射し] 韓国の‘ネオコン’

原文入力:2009-12-21午後09:45:29

オ・テギュ記者

←オ・テギュ論説委員

ジョージ・ブッシュ前米国大統領執権(2001~2009)前半6年の対外政策を思うままにした勢力はネオコン(新保守主義者)だった。当時のディック・チェイニー副大統領,ドナルド・ラムズフェルド国防長官,フール・ウォルフォウィッツ国防副長官,ジョン・ボルトン国務部軍縮担当次官が核心だった。これらは世界を善悪で区分した後に、悪の勢力を清算しなければならないという信念を持った。こういう構想の下、北韓をイラク・イランと共に3大‘悪の枢軸’と規定し容赦なく追い詰めた。2002年釈然としないウラニウム核開発疑惑を口実に2次核危機を起こし、その結果1994年のジュネーブ合意はこわれた。彼らは対話を補償と見なし、崩壊か降伏かの選択を強要した。だがブッシュ政権の2006年中間選挙惨敗以後は状況が一変した。イラク侵攻をはじめとする一方主義的な対外政策が主要な敗因と指定されネオコンは歴史の舞台から消えた。

それでは今の韓国の事情はどうなのか? 不確かな情報と非合理的判断に基づき強硬一辺倒政策をゴリ押ししたネオコンの誤りを私たちが繰り返すような状況が広がっている。いわゆる‘韓国のネオコン’が外交安保部署の要職を占領し、対北韓強硬追求を主導している。大統領府外交安保首席室のキム・テヒョ対外戦略秘書官,外交通商部のイ・ヨンジュン次官補,統一部のヒョン・インテク長官,国防部のキム・テヨン長官が主役だ。金泳三政権と金大中・盧武鉉政権,李明博政権を経て時流に便乗してきたユ・ミョンファン外交長官も省けない。元老級ではイ・サンウ国防先進化推進委員長(前 西江大教授),イ・ドンボク北韓民主化フォーラム代表(前 安全企画部長特別補佐官)等の活動が眼につく。

これらは強い縦横のきずなを結んでいる。対北韓強硬論者の核心であるキム対外戦略秘書官はイ委員長の西江大時期の高弟だ。またヒョン統一長官と共に‘非核・開放・3000’政策を立案した。キム国防長官も西江大で修士を修めた時からイ委員長と縁が深い。イ外交次官補は98年に金大中大統領当選者の大統領職業務引継ぎ委員会統一外交安保分科で外交部派遣行政官として仕事をしイ・ドンボク引継ぎ委員と呼吸を合わせた間柄だ。米国留学派出身の保守学者らが中心となり作ったソウルフォーラムは韓国ネオコンの温床の役割をしている。イ委員長,ヒョン長官,キム秘書官と李明博政府初代外交安保首席を務めたキム・ビョングク高麗大教授が皆このフォーラムの会員だ。今の統一諮問会議顧問団と大統領外交安保諮問教授団はこのフォーラムの縮小版といっても差し支えない。

韓国のネオコンは米国のネオコンがジュネーブ合意を認めなかったように、6・15と10・4宣言を無視する。ユ外交長官とイ次官補が昨年アセアン地域フォーラムの時、両首脳宣言が議長声明に含まれないよう外交折衝戦を展開したのが代表的事例だ。また米国ネオコンが軽水炉建設と重油支援を米国の自尊心を害することだと攻撃したように、これらはほとんどすべての対北韓協力事業をむやみに与えることだと批判し民間団体の人道的支援まで阻んでいる。北韓とは対話にならないから降伏する時まで圧迫しなければならないという考えも同じだ。はなはだしきはイ委員長のような人は、北核は対南赤化統一の手段であるので物理的に除去しなければならず、周辺国にこれを容認させる外交をしなければなければならないと主張する。ユ外交長官が北核の主目的が対南赤化統一だと言ったり、キム国防長官が北核先制攻撃論を提起するのと一脈相通じる。

重要な点はこれらの考えと政策が実効性があるかということだ。ネオコンの失敗と最近の情勢は‘それは違う’と言っている。イ大統領は米国ネオコンの誤りを繰り返してはならない。そのためには韓国版ネオコンと決別し時代変化と結合しなければならない。 外交安保陣容の総入れ替えが至急必要だ。

オ・テギュ論説委員ohtak@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/394698.html 訳J.S