社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の期間延長と調整に反発する自営業者の集団的な動きが広がっている。首都圏や釜山などのスポーツジム500カ所が、運営禁止防疫守則を破り4日から営業を始めたことをきっかけとして、カフェや遊興施設、コインカラオケなど他の集合制限・禁止業種でも集団デモや抗議を示しての営業に乗り出す動きを見せている。これに先立ち、政府が距離措置レベル2.5を17日まで延長しつつも、テコンドー道場やバレー教室などの一部の室内体育施設に限り営業を認めたのも、このような雰囲気に油を注ぐ形となった。
12月8日から実施された距離措置レベル2.5によっても、新型コロナウイルスの拡散の勢いがなかなか収まらないことを受け、防疫当局は苦肉の策としてレベル2.5の延長を決定した。この2日間、新規感染者数が減り、防疫当局も緩やかに下火になることを予測したものの、安心するにはまだ早い。依然として集団感染が続く状況で防疫守則が崩れれば、統制不能の状況に突き進む恐れがある。しかし、1カ月以上、業種によっては数カ月にわたって収入が途絶え、テナント料の負担まで負ってきた自営業者に対し、「忍耐を続けろ」とばかり要求するのもたやすくはない。特に、共に苦痛を分かち合ってきた類似の業種で規定が緩和されるのを見れば、剥奪感を感じざるを得ないだろう。
室内体育施設の集団感染事例を強調してきた防疫当局も、6日に一歩引く態度を示した。中央事故収拾本部のユン・テホ防疫総括班長はこの日「スポーツジムとは異なる防疫基準が適用されたテコンドー道場や、見守り受け入れ機能を考慮して小規模運営が認められている塾や教室など他の大衆利用施設との公平性を考慮し、関連指針を再検討する」と明らかにした。一括の運営禁止をせずに防疫効果が出せるよう、今より精巧に業種の状況に合った防疫守則を練ることが急がれる。
感染拡大の第3波が続く状況で、防疫守則の調整と同じくらい重要なのは、集合制限・禁止によって大きな被害を受けた事業者と労働者が生存できるよう適切な補償を行うことだ。これまで韓国の新型コロナ防疫はこれらの人々の犠牲の上に成り立っていたと言っても過言ではない。彼らが防疫守則を拒否すれば、事態は手のほどこしようもなく悪化するだろう。その責任は最終的に政府が負うしかない。11日から自営業者と特殊雇用職・フリーランスに支給される第3次災害支援金の執行を滞りなく迅速に行わなければならない。また、その場限りの支援で終わるのではなく、業種ごとの被害規模を正確に把握し、適切な追加補償を積極的に検討してほしい。