韓国が史上初めて文化芸術著作権分野でこの半年、黒字を記録した。輸入する文化コンテンツより輸出するコンテンツが多いということだ。
防弾少年団(BTS)とBLACKPINKの持続的な成功はすでに知られている。映画『パラサイト』(ポン・ジュノ監督)のアカデミー賞作品賞受賞は長く記憶されるべき歴史的な瞬間だ。パク・チャヌク、イ・チャンドンのような監督たちも熱狂的な支持を受けている。
なぜ世界の他の国々が韓国文化を消費するのだろうか。数千万人のファンがなぜ東アジアの隣国のポップスではなく、BTSの「ダイナマイト」やBLACKPINKの「ハウ・ユー・ライク・ザット」で踊りながら熱狂するのだろうか。なぜ韓国の立場から見た不平等という素材はアカデミー賞を受賞したのに、他の国が輩出した似たような映画は受賞できなかったのか。
簡単に言えば、韓国文化は今、一つの分野の成功が他の分野の成功をもたらすマジックサークル(magic circle)、すなわち好循環に入ったのだ。韓国文化は「クールさ」と「羨望」のアイコンとなり、今や文化消費を先導したい人には避けられないものとなった。
もちろんK-POP、韓国映画やドラマ、文学の水準が、韓流が本格的にスタートする前よりも向上したとはいえない。しかし、今や韓国文化が今までとは違って認識されていることは明らかだ。世界中の人々が観たり、聴いたり、読みたがる高品質の製品と脈が相通じる。韓国文化は世界的に認められた。
K-POPを聴いて楽しんだ人は、同じ歌手の他の歌を探して聴く可能性が高い。そして、おそらく他の歌手たちの歌を探すだろう。また、次第に異なる分野の韓国文化を探すことになるだろう。言い換えれば、現在のBTSのファン「ARMY」たちは、次には作家ハン・ガンの『菜食主義者』を読む読者になりうる。その人は韓国の文化を自分が消費したい良質のコンテンツと結びつけるからだ。消費者がその文化の製品に内包されているストーリーを追いたくなる、そんな文化コンテンツだ。
このような好循環は、現在と未来の韓国の芸術家に二つの重要な利点を提供する。何よりも文化的な壁を壊したという点だ。かつては、東南アジアや中東、欧州、そして米国の人々は、韓国映画を見たりウェブトゥーン(漫画)を読むことを好まなかっただろう。今では違う。韓国文化に対する潜在的な消費者のマインドはより広がり、彼らは新しいコンテンツを喜んで歓迎する。
また、韓国の芸術家たちはもはや「韓国人」ではなく、個々人として認められている。「ARMY」と「BLINK」、ポン・ジュノ監督やパク・チャヌク監督を追うフォロワーたち、作家のハン・ガンなどの熱烈な読者がいる。彼らは韓国の芸術家であると同時に、個人的な認知度を持つ。韓国人の国籍は韓国文化の広範囲な魅力の一部――他の韓国芸術家たちにも役立つ――になる。同時に、彼らは大半の芸術家が志向する個人的な認知度もすでに得ている。
もちろん、特定のジャンルが韓国文化を代表するかのように認識してはいけないと非難する人もいる。例えば、K-POPは様々なスタイルの音楽と強烈な振り付けをミックスした韓国のポップミュージックをつなげる非常に一般的な用語であって、その範疇が韓国の大衆音楽をすべて網羅するわけではないということだ。
これは、避けられない現象かもしれない。米国のインディーズ映画がその国の「文化景観」に欠かせない部分であるとしても、ほとんどの人はアメリカ映画といえばハリウッド映画を連想するように。こうした問題はすべての国が考慮しなければならない部分だ。いま一番強力な文化輸出国も同じだ。
そうだとしても、韓国文化の大衆的人気が(一方で)もたらす悪影響が、多くの韓国芸術家が享受する恩恵を奪うことはないだろう。キム・シスターズは韓流ブームを巻き起こさなかった。いっぽう、『猟奇的な彼女』、BoA、『冬のソナタ』は、BTSと『パラサイト』が2020年の代表的な文化アイコンとしての地位を確立するための土台を築いた。このように韓流は韓国文化に肯定的な役割を果たしてきた。
結局、このような好循環は、まだあまり知られていない韓国の芸術家たちが、現存する巨人と肩を並べることもありうるということを意味する。世界中の数百万人が、そのような芸術家たちの作品にも挑戦する意向を提供してくれるからだ。
ラモン・パチェコ・パルド|英キングズ・カレッジ国際関係学科副教授、ブリュッセル自由大学KF-VUB韓国学碩座教授