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[ニュースpickup]南北,先を争って‘スパイ探索戦’ 70年代ニュースに戻ったように

原文入力:2009-01-02午後03:41:34

ソン・ウォンジェ記者

←映画‘二重スパイ’の主人公ハン・ソッキュ(左側)とスパイ疑惑で懲役5年を宣告されたウォン・ジョンファ氏

#1.遠くない未来、南北間武力衝突が全面戦争に拡大する。北韓特殊部隊の後方浸透で苦戦した韓国は圧倒的な海・空軍力と地上軍火力の優位を活用し反撃にでる。ついに秘密諜報員の案内を受けた韓国特殊部隊員が平壌の極秘アジトに浸透し北朝鮮最高指導者を除去し戦争は終わる。1990年代後半に出てきた一‘ミリタリー小説’の結末だ。
#2.北韓国家安全保衛部(保衛部)は先月18日夜、緊急スポークスマン談話を発表した。南側情報機関の対北‘スパイ活動’を摘発したと。保衛部は「南朝鮮情報機関は今年初め、国境を越えた(北朝鮮住民)リ・某を吸収(抱き込み)し、訓練させ再び潜入させた後、我が首脳部(金正日国防委員長)の現地視察路程と移動を追跡するための音声および音響追跡装置と劇毒薬まで送り込んだ」と主張した。保衛部はまた「我が国の核関連情報を内偵しようと主要軍需工場地帯の土と水など環境試料採集任務を受けて策動したスパイらも一網打尽にされた」と付け加えた。 北韓<朝鮮中央通信>が報道した実際状況だ。

韓国の対北‘スパイ’活動は10余年前仮想小説で扱われた後、しばらく現実に公開的に議論されなかった。2000年の南北首脳会談を基点に南北間の緊張が大きく消え失せた状況を反映したのだ。北韓の保安機関が首脳部の安全と危機を威嚇する‘韓国スパイ’の存在に言及したことは南北関係が冷戦構造に回帰していることを語ってくれる。先立って韓国情報機関も去る8月、保衛部の指令を受けた‘女スパイ’ウォン・ジョンファの軍部浸透事件を摘発したと明らかにした。南北が先を争ってスパイ探索戦を再開した姿だ。

軍情報機関が70年代初期まで北派工作員を浸透させ諜報収集・施設破壊などの工作活動を行ったことはよく知られた事実だ。映画<シルミ島>で実体が広く知られたこれら北派工作員は8千人余りが北側当局に捕まったり死亡・失踪したことが知られている。

今はどうだろうか? 軍情報機関は72年南北共同声明発表以後、武装工作員の北派活動を中断したと明らかにしている。しかし南側情報機関の北朝鮮情報収集活動は着実に行われていることが分かった。国家情報院関係者は<ハンギョレ>との通話で、北韓保衛部の発表と関連して「私たちがしたのではない」と語った。

軍と情報機関では相変らずいわゆる対北‘ヒューミント’(人を通した情報収集)が重要だという主張が出ている。軍内の北核問題専門家と言われるある陸軍少佐は2007年末に発刊されたある政策研究冊子で「北韓内部地域に往来が自由な人員らを活用して北朝鮮全域でウラニウム関連土壌標本を収集・分析しなければならない」と公開提案したことがある。実際、現在情報機関は主に北朝鮮-中国境界地域を中心に脱北者や朝鮮族などとの連係を通じて人間情報を収集していることが知られている。脱北者のウォン・ジョンファ氏も対南諜報活動を行いながら、同時に韓国軍情報機関要員に抱き込まれ、一種の‘二重スパイ’として北韓情報収集に活用された。

軍は特殊要員を養成・管理する部隊を今でも維持していると分かった。しかし北派工作に対しては公式否認している。それでも確認はされていないが、北核実験と関連して軍特殊要員が北韓軍需施設の土壌を採取し北韓の核兵器起爆装置開発を確認したなどの主張も出てきている。

ソン・ウォンジェ記者 wonje@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/specialsection/newspickup_section/330841.html

原文: 訳J.S