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[社説] 海洋警察が救助を邪魔したと言われても仕方が無い

登録:2014-04-26 15:10 修正:2014-04-28 06:30

 セウォル号の沈没から10日目の25日、救助現場には民間潜水士や最新式の潜水装備であるダイビングベルが本格投入された。危険等の理由でこれまで海洋警察が反対していたが、行方不明者の家族たちの要求で遅ればせながら採用されたものだ。海洋警察が主張していた‘危険’は起きていない。‘なぜ今まで使わなかったのか’という残念な思いは増すばかりだ。救助するという意思はもちろん、十分な資格と能力を備えた人々の参加をこれまで阻んできた理由はいったい何だったのか問わざるをえない。

 持てる全ての力を寄せ集めてもなお不足が心配される緊迫した救助現場で、海洋警察など救助当局は、民・官・軍の協力どころか、葛藤をふくらませるだけの理解不能な様相を示した。 救助作業への参加を願い出るボランティアの民間潜水士が全国から集まったが、海洋警察は彼らを無視し冷遇した。経験と実力を積んだベテラン潜水士まで邪魔者扱いしたという。一日四、五人ずつは参加させる考えだと言っていたが、22日からは現場参加を阻み、暴言まで放ったりしたという。そのため200人余りいた民間潜水士の多くはすでに救助現場を後にした。海洋警察は、救助は清海鎮海運と契約した業者だけに主に任せた。この業者は人命救助よりは船体引き揚げが専門だという。4年前の天安艦事件の時とはまったく違うのだ。

 救助当局がまごまごしている間、貴重な時間は無駄に流れるばかりだった。海軍の特殊戦旅団(UDT)同志会は事故直後の17日に潜水時間を延すための4隻の船を運んできて現場への投入を要請したが、海洋警察は黙殺した。その4日後の21日になって遅ればせながら再び呼び寄せた。‘生存の限界線’と言われる72時間が過ぎてからだ。どんぶり勘定的な業務処理とことなかれ的な官僚の姿勢が迅速な救助をじゃましたのだ。

 こうしたことは一つや二つではない。行方不明者救助の実質的な対策は、当局ではなく、不明者の家族たちの切実な思いから生まれた。事故初期、激しい潮流の中で捜索した潜水士たちは、揺れる船上でまともに休めないまま再び捜索活動に戻っていたが、不明者の家族の要請によって20日午後にバージ船が投入され、安定した救助作業ができるようになった。強い潮流に遺体が流失する可能性を指摘したのも、はえ縄漁業の底引き網漁船の使用を唱えたのも家族たちだった。事故初期に夜間救助作業の際に使った数千発の照明弾の代わりに集魚灯を備えた漁船の使用を要請したのも同じだ。そのような要請は事故直後の17日からあったが、事故対策本部は要請があった後にそれらの装備を口コミをたよりに探して、時間を浪費し、三、四日後にようやく現場に到着した。危機対応マニュアルは消え失せ、事故対策本部は我を忘れて、お手上げ状態になった。

 実際、不明者の家族やボランティアなど事故現場近くにいる人々は、海上警察と軍の指揮体系が一元化されておらず、意思疎通不能状態によって混乱し、事故対応の迅速性も大きく落ちているようだとかねてから心配している。"現場の指揮体制が実にお粗末" という話も広まっている。

 海洋警察はすでに事故直後の初動対応に失敗した責任がある。船が沈んでいく初期の30分余りの間に、最初の申告者であるチェ・トクハ君を含めセウォル号の乗客たちから23件の救助要請電話が殺到したが、海洋警察はなすすべもなくあわてるばかりだった。10日が経過した今もなお、手抜きと混乱ぶりは相変わらずだ。このような職務放棄については厳しく責任を問わなければならない。あわせて救助指揮体制を今からでも急いで整備しなければならない。不明者の家族にこれ以上、罪を働くことは許されない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/634556.html 韓国語原文入力:2014/04/25 20:20(1599字)
訳T.W(1645字)

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