本文に移動

[社説] 原子力法は‘大乗的’に処理すべき

登録:2014-03-23 22:31 修正:2014-03-24 00:25

 原子力防護防災法の改正案処理問題が、政局の重要な争点としてにわかに浮上している。セヌリ党は野党に向かって "国家的な恥をかかせる瀬戸際だ" 、 "新政治連合は新政治という言葉を使う資格はない" 等の激しい表現まで使って法案通過を多角的に圧迫している。反面で野党は "放送法改正案など与野党が合意した法案を一緒に処理すべきだ" と対抗している。

 原子力防護法の処理問題がこのようにもつれた最も大きな責任は政府与党にある。この法案は2年も前に政府が発議したものだが、与党サイドはこれまで棚上げにしてきて、朴槿恵大統領のハーグ第3次核安保首脳会議参加が目前に迫り、急にあたふたと騒ぎ出している。与党サイドは自分たちは法案通過に無関心ではなかったと主張しているが、さまざまな状況からみて弁解にすぎない。チョン・ホンウォン国務総理がカン・チャンヒ国会議長に会って、 "緊急性を十分にご説明しなかった点は申し訳ないと考える" と話し、カン議長もまた "私も全く分からなかった" と話しているのを見ても、与党サイドが放置していたことは確かだ。政府与党は野党に責任をかぶせる前に自分たちの無関心とプロ意識のなさを反省するべきだ。

 与党サイドが‘国の品格’とか‘国家の恥さらし’とかいう表現を使うことは、さらに失笑ものだ。この法案が2012年にソウルで開かれた第2次核安保首脳会議で成立した約束であるという点を考慮すると、ハーグ会議が始まるまでにきちんと通過させておくのが良かったろう。しかし当時の会議で改正核物質防護協約を2014年までに発効することで合意したことを思うと、厳密に言えば時間はまだ十分残っている。朴大統領としては法案通過にならない状態で会議に参加するのは面子が立たないことかもしれないが、それでも国家的恥さらしとかいう表現は行きすぎだ。韓国が国家的に大きく恥をかいた事件はむしろ他にある。国家情報院のスパイ証拠ねつ造事件で、同院を弁護するのに忙しいセヌリ党が国家的恥さらしなどと言い出す資格があるかも実に疑わしい。

 それでも野党は大乗的な見方で原子力防護法を処理するほうがましだ。セヌリ党の態度が腹立たしいのはもっともだが、放送法などとの‘連係処理’だけに固執するのも賢明ではないと見られる。野党が与党サイドのあせりにつけ込んで無理押ししているようにとられるのも見た目があまり良くない。いずれにせよ法案の内容自体に異議がないのなら、あれこれ詮索せず鷹揚に処理するのが大人の態度だ。それが政治だ。どのみち海外に行っている朴大統領の面子も考慮すべきではないか。そのあとセヌリ党がどのように出てくるかを一度見てみるべきだろう。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/629410.html 韓国語原文入力:2014/03/23 18:36
訳T.W(1237字)

関連記事