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[社説]セヌリ党院内代表は拷問事件判決を謝罪しろ

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/538518.html原文入力:2012/06/19 19:04(1378字)
 1980年代初めの代表的な政治事件であるハンニム事件について大法院が最近、全被告人に対する無罪を再審判決によって確定した。この事件の2審の裁判所は"被告人の小さいうめきにも耳を傾けなければならない責務をつくすことが出来なかった過去の裁判所の誤りに対して許しを請う" と判決文で明らかにした。  しかし「許しを請う」の主語は、現在の裁判所ではなくて当時法廷で拷問の事実に対する訴えを聞いても無視した過去の裁判所の判事であるべきだ。
 過去の軍事独裁政権時期の拷問実施事件について、裁判所は再審法廷を通じて相次いで無罪判決を下してきた。大法院レベルでは過去の誤った判決に対して総括的に謝罪の意向を明らかにもした。しかし該当の判事一人一人は何の反省や弁解もないまま過去の過ちを隠したまま色々な分野で出世して勝ち誇ってきた。今回の事件は関連判事が政界や法曹界で有力な地位にあるという点で何より関心を引く。ファン・ウヨ セヌリ党院内代表は、拷問にあったと主張するこの事件の被告人に2審の陪席判事として1982年5月22日に有罪を宣告するのに加わっている。またイ・ガングク現憲法裁判所長も陪席判事として、チェ・ジョンヨン前大法院長は主審だった。

 被告人の一人だったイ・テボク前保健福祉部長官は昨日、ファン・ウヨ代表とイ・ガングク所長に "謝罪" を要求した。ファン代表は昨日秘書を通じて "苦痛と被害をこうむった方々と家族に対して遺憾に思う" という意を間接的に明らかにした。たとえ陪席判事であり、そんな時代だったとしても拷問にあったと訴える被告人を無視することによって結果的に人権蹂躪を合理化した事実は一生の傷として残るほかない。
 ハンニム事件はクーデターで政権を奪取した全斗煥新軍部が81年学生運動と労働運動を弾圧するために作り出した代表的な拷問による事件だ。南営洞(ナミョンドン)分室で捜査官は被疑者を最大44日間不法監禁し、電気拷問などを行った。検察に送検後も彼らが疑惑を否認すれば捜査官が検事室に待機して追加で調査をしたし、検事はほおを殴ったり南営洞に送りかえすと脅迫したと判決文に出ている。
 内乱の首謀者である全斗煥氏が陸軍士官学校生を査閲して検察が依然として権力の世話役としてふるまうのも、裁判所が民主主義の後退状況を牽制できないのも全て過去の過ちを徹底して反省して清算する手続きをまともに経なかったためだ。ファン代表とイ所長が直接、率直に反省する姿を見せることを願いたい。
原文: 訳T.W