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[社説]民主主義を脅かす全斗煥氏の‘陸軍士官学校査閲’

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/537146.html原文入力:2012/06/11 18:53(1416字)
 ‘国家反乱首魁(訳注・元クーデター主犯)’である全斗煥氏が最近、陸軍士官学校で開かれた「同校発展基金200億ウォン達成行事」に反乱の仲間たちと共に生徒の査閲を受ける騒動が起きた。まずは同校のホームページに‘国家と軍のために献身する精鋭将校を養成するために今日も最善を尽くしています’などと同校のホームページに書いているパク・ジョンソン校長に、国家と軍とは果たして誰のための国家と軍なのかと問いたい。  陸軍と同校は強い批判世論が起きたために、"査閲でない参観だ"、 "一般人と同じ立場で参加したもので、誰でも参加することができる" としてやりすごそうとしている。全氏のための椅子を特別に用意したことに対しても、高齢者のための優遇のレベルとして言い逃れようとしている。軍はいまだに状況の深刻性を悟っていないか、気づきながらも国民を欺こうとしていると見るほかはない。
 全氏とは何者か。12・12軍事クーデターと光州(クァンジュ)での民間人虐殺の元凶で、1997年に最高裁で反乱首魁罪など13種類もの罪が認められ、無期懲役が確定した者だ。金泳三政権の末期に釈放されて復権したものの、残りの懲役の免除と公民権回復だけが対象だったにすぎない。罰金刑だけでも2205億ウォンを宣告されたのに一部しか出さず、全財産が29万1000ウォンしかないとして、1672億ウォンを未納にしたままだ。さらにゴルフ場や超高級レストランに側近らと群れを成して通ったり、孫らの超豪華版の結婚式を行ったりした話題にまみれた、庶民の怒りを買う代表的な‘国民和合をじゃまするお手本’だ。
 このような人並み以下の犯罪者を国家の防人を養成する神聖な場に招いて大使級の対応をした同校と、彼の肩を持つ軍当局は国民と歴史の前に謝り、責任を追及して厳重な処罰をしなければならない。
 さらに大きな問題は、このようなあきれる騒ぎが起きるのは最近政界で起きている過度なイデオロギー論争と関係があるという点だ。セヌリ党の有力な大統領候補と見られる朴槿恵議員が1日、"基本的に国家観に疑問を持たれる人が国会議員になってはいけない"と発言して、統合進歩党の比例代表選挙戦の不正を北朝鮮シンパ論争にすり替え、その後セヌリ党が組織的にイデオロギー攻撃をしかけて、‘北のシンパは悪、その逆は善’という誤った雰囲気がつくられた。全氏を自身の‘政治生活の見本’という人が親パクという理由のためだけで国会議長の候補になったことも無視できない出来事だ。このような点で全氏の陸軍士官学校査閲は‘民主主義の危機’を象徴する事件といわざるをえない。
原文: 訳T.W