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[世相を読む] 韓-日軍事協定の致命的危険性/キム・ジョンデ

原文入力:2012/05/24 19:08(1713字)

←キム・ジョンデ「ディフェンス21プラス」編集長

今月17日に金寛鎮(キム・グァンジン)国防相が、朴智元(パク・チウォン)民主統合党代表と会談した席で「韓-日軍事協定締結は、国会論議を経た後、処理する」と留保的態度を表明した。ところが四日後の21日に、キム・ミンソク国防部報道官が「否定的な世論のため、国防部が韓-日軍事秘密保護協定締結を中断するのではないかとの推測があるが、これは事実ではない」と述べ、「現在、日本側と協定関連交渉が推進中」と明らかにした。長官の言葉を報道官が覆す驚くべき事が起きたのだ。この4日間、国防部では何が起きたのか。

この事態を見ていると、国防部が外部から韓-日軍事協定を締結せよとの強い圧力を受けているとの感覚を消し難い。すでに韓-米同盟で対北軍事的抑制力を構築した時点において、韓-日軍事協定から特別な安保的利益を得るものでもなく、特に急ぐべきでもない協定締結に執着する姿は、即ち外部の圧力なしには説明し難いからだ。むしろ韓-日軍事協定は韓国安保に否定的影響をもたらす危険性を内包している。日本は軍事的に信頼することができない国だからだ。

2009年4月4日は北韓が長距離ロケットを発射する前日だったにも関わらず、日本政府は「北韓がミサイルを発射した」と警報を鳴らして、住民待避命令を下した。このニュースを受けて実際に北韓がミサイルを発射したと思い、我が国の朴貞和(パク・ジョンファ)海軍作戦司令官は食べたものが胃につかえてしまった。彼は我が国の世宗大王艦が北韓のミサイルを探知することができなかったという困惑感で、世宗大王艦長を含めた関係者たちを「ただでは済まさない」とすごみさえした。しばらく後、日本側の警報が誤作動したという事実が明かにされると、安心のため息をついた。この事件は、もし韓半島有事の時にデプコン2が宣布された状況なら、日本のちょっとした誤報一つが韓半島に致命的な影響を及ぼすという事実を暗示する。誤った軍事情報は「情報公害」をもたらし、我が国の危機管理に非常に深刻な否定的影響をもたらすという点だ。そのような日本はまた、愚かにも今年4月13日には、北韓ロケット打ち上げの事実自体を知らずにいて、一歩遅れて確認する騒動を起こした。

果してあの国が、何かをまともにできるのか疑問だ。こんなアマチュア国家と軍事情報を交流する協定を締結したら、私たちはまた一つの負担を負うことになる。北韓に関してなら確認されていない情報にも、どうしようもなく興奮してしまう彼らだからだ。独島問題や慰安婦のような歴史的問題も重要だが、これまで日本が誤った情報をでたらめに振り撤いて来た当事者であるという点を考慮するならば、韓-日軍事協定は私たちの安保の資産ではなく、重荷になるでしょう。最近も日本政府とマスコミが、北韓の閲兵式で展示されたミサイルは偽物だ、北韓がすぐ核実験を実施する、など未確認の情報をでたらめに流し、韓国マスコミは何の確認もせずに、これを引き写した。その結果、北韓に対する誤った情報は見直されることもなく累積した。

日本は見かけ倒しの超豪華自衛隊を持っているだけであり、実際には安保の役に立たない国だ。そんな国が韓半島に対して発言権を高め、こそこそ介入する状況が生じたら、我が国の国防部は新たな負担に直面するようになる。ヨーロッパの多くの国が参加して満場一致で意思決定をするNATO体制は何一つ、まともにできることがない。船頭があまりにも多いからだ。その様に韓・米・日が韓半島危機管理に入り混じるようになれば、韓半島の安定はより脅威を受けるでしょう。しかも日本は、韓半島の統一を願わない。こんな協定を任期末に結ぼうとするのは「骨の髄まで親日で親米」という李明博政府でのみ可能な事だ。正気を持った政府ならば、安保に役に立たないこんな協定に賛成する理由はない。

キム・ジョンデ <ディフェンス21プラス> 編集長
原文:https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/534495.html 訳 M.S