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[社説]中国の人権意識問う‘陳光誠事件’

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/531310.html原文入力:2012/05/04 19:06(1153字)
 視覚障害をもつ中国の人権派弁護士の陳光誠の身辺問題が世界的な関心を集めている。陳光誠は苦学して法律の勉強をして弁護士になった後、強制堕胎など中国の非人間的な産児制限政策を先頭に立って批判してきた。このような行動に悩まされた中国政府によって4年3ヶ月獄中生活を強いられ、2010年に釈放されてからも山東省の家に軟禁され続けていた。そして、かえってこのような弾圧が彼を中国の人権運動の象徴として注目させてきた。  彼が4月22日厳重な監視網を破って自宅から出て北京の米国大使館に駆け込むことに成功し、米-中の水面下の交渉を通じて2日に中国政府の安全保証の約束を得て大使館を出るまでは一つの‘ハッピーエンド’の映画を見るようだった。しかし状況は彼が大使館を出て病院に入院しながら急変した。彼が望む限りそばにいると話していた米国の大使館職員が病院を離れ、自分と家族の安全が中国政府から保証されがたいと、妻の話を聞いて判断したようだ。ついに彼は昨日、米国全域に生中継される中で米国下院聴聞会のクリス・スミス議員(共和党)との電話で米国政府の助けを借りて米国に行きたいという意志をはっきりと明らかにした。
 こういうあきれような事態が起きたわけは、米国と中国政府が陳光誠の身辺の安全保証問題をないがしろにしたまま政治的な収拾を急いだことが大きいと言える。次期指導部選出を控えて薄煕来・前重慶党書記の不正腐敗問題で極度の混乱状態にある中国としては、この問題まで加わって騒動が大きくなるのを望まず、米国も大統領選挙を控えてイランや北韓核問題との交渉について中国の協力を必要とする状況のために中国を刺激することを避けたかったのだろう。二つの大国の利害関係の中で一人の人権弁護士の人権が犠牲になる危機に置かれたわけだ。
 最も大きい責任は中国政府にある。中国政府は米国との約束を守る次元を越えて、世界2大国の地位にふさわしく人類普遍の価値である人権問題にもっと積極的な姿勢を見せなければならない。人権を蹂躪、軽視する国はたとえ大国であっても敬意は得られない。
 中国外交部が陳光誠の意思表示後、‘陳光誠が望めば留学することができる’というスポークスマンの声明を発表したことはまさに歓迎に値する。言葉だけでなく即刻行動することを期待したい。米国政府も交渉の当事者として手を引かずに彼の安全保障と人権保護に最後まで責任を負わなければならないだろう。
原文: 訳T.W